愛とアイ、どっちが欲しい？【 狗巻棘 】《完結》

１３話 ページ14

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そしてもう一度、唇が重なる。

でも、先程の長いキスではなく、最初の一瞬のキスだった。






離れていく唇に少しの寂しさが生まれる。








「……いくら」


『…………もう、終わり？』






「……！」


『あ、ごめ、私……ッ、』






何を口走っているんだ私は。

そして自分の顔に熱が集まっていくのがわかった






最悪だ。こんなの、ただの黒歴史にしか……。









「……高菜、明太子、？」



『そんなの、聞かなくていいよ、？』







「……しゃけ、」






そしてもう一度唇が重なった。

この行為？はいつまで続くのだろうか。





今はそんなのどうでもいい。

棘と沢山キスできていることが何より嬉しくって。








それと同時に頭が真っ白になっていくのがわかった。








あれ、息ってどうするの？

口塞がるし、……鼻で息するの？







あれ、でも鼻息かかるじゃん？

……息止めてやればいいの？






そんなことを考えていると、酸素が足りてないことに気付いた。







『ん、』






酸素を求めて口を開けば、ぬめりとした"それ"が侵入してくる。

突然の"それ"に驚きを隠せない。







『んんッ！？ふぁ、んんッ！！』



「……ッ、」







目を開けば、目の前には目を細めた棘

距離が近い分沢山目が合うから、恥ずかしくなる。






顔を逸らそうとしても、逸らせない。





あれ、私の舌はどうすればいいんだ？

動かす？でもどうすればいいのか知らないし……。





舌の行動に困っていると、棘の舌が私の舌を絡めとる。






『んぅ、っふ、』



どんな息の仕方をするかなんて、私の頭にはもうなかった。







酸素が足りてなくて、辛いはずなのに。

何でだろう、とても気持ちいい。





頭が回らなくても、棘がリードしてくれた。








「……つ、な、」



『ぇ、……んッ、』






舌をもう少し出して、という言葉に少し驚いたが、

ああ、そうなのかな、と思って言われた通り舌をもう少し突き出した。




先程より舌が絡まって、なんとも言えない快楽。







さすがに息が辛い、と思ったので棘の肩をトントン叩けば、

気付いてくれたのか唇がすんなりと離れた。






私と棘の間には銀色の細い糸ができていた。




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