※ ページ33
目的の場所に辿り着く。そう、言いかけた時だった。
「＿ねえ、何してるの？」
「うええぁ！？…あ……島崎センセ……」
見つかった。完全に油断をしていた。
オダサクは焦る。
こうやって無断で外に出るのだから、バレたらそれなりの刑罰と、無頼派の皆からのお小言が待っているに違いない…
自分がかなり悪い状態で倒れたのは自分自身でもわかってる。だいぶ体調は良くなったとはいえ、謎の浮遊感は残っているし、まだ足元がおぼつかない。頭もまだ痛い。
今の自分はあまりいい顔じゃないと思う。
いや、元から美男子だからいつでもいい顔なんだけど、笑顔で隠さないと少しやつれている顔を見せてしまう。
オダサクは焦りながらも口角を上げる。
万遍の笑み。
彼の体のことをよく知らない人達の中には、うん、百点満点の笑顔！と言ってくれる人もいるだろう。
しかし、相手は島崎藤村。
こちらは全く表情を変えることなく、静かに深みのある緑でこちらを見つめる。
「…し、島崎センセ、これはーそのー」
「…補修室から勝手に抜け出して、何してるの？」
うぐっ、と口を動かすオダサク。
言い訳が思いつかない。いや、できない。
見つかった相手が悪い。と、オダサクは思った。
この人には、はぐらかすということが出来ない。気軽に嘘が付きにくい。
そう、まさに今。
そのしっとりとした、しかし凛とした目を向けてきて、逃すまいと言わんばかりに見つめてくる。
織田作之助は大嘘つきの文豪である。息をするように嘘をつく。
しかし、今目の前にあるのは、それが通用しないと一目でわかるぐらいの、圧である。
あ、無理。
それを一瞬で察したオダサクは、島崎の肩の上に両手をドンと乗せ、
「わ」
「…島崎センセ、この事は、二人だけの秘密にして貰えへんやろうか…？つっ、次！次なんか、なんかスクープになりそうなことあったら、真っ先にセンセにお伝えしますわ！だから、見逃して貰えへんやろうか！」
取引に出た。
とにかく、見つかったらやばいのだ。
見つかったら即お小言確定だし、それに、目的の場所に行けない。
とりあえず今は、その場所に行きたいのだ。
いや、ここまでリスクを犯しながらやることでもないと言う意見もあると思うが、とりあえず、今！行きたいのだ！
「…わかったよ」
「ありがとうございます！」
その返事が返ってくると、オダサクはパッと手を肩から離す。
そしてその場所へと歩みを進めていく＿＿
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筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» こちらこそすみませんでした…素敵なお誘いありがとうございました！ (2020年11月9日 23時) (
レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» いえいえ！！こちらこそ、無理なお誘いしてすみません(汗) 本当、定期的にコメントしにきます((((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» ごめんなさい！本当に申し訳ないんですけど、私、占ツクで作品を見たり、書いたりすることしかやってないので、出来ないです……誘ってくださったのにすみません… (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» あの！よろしければ…ボードとかでお話しできないですかね(((((こrrrr (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» 私も嬉しいです！ダメです逝かないでください((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筆ペン屋さん 極細 | 作成日時：2020年7月27日 0時
