6 覗き込んだ本棚の ページ27
あんなカオスな論争が繰り広げられていた時間と同時刻。オダサクは夢を見ていた。
目を閉じたその顔は赤く火照っており、額には氷が置かれていた。
そっと彼の手を取ってみると、今彼を苦しませている熱がひしひしと伝わってくる。
「…これはまた……ここまでよく辛抱したもんだな」
「はい…。やっぱりもう少し気にかけてあげたら良かったです……」
ここは帝国図書館の一室。とは言っても、関係者以外立ち入り禁止の場所で、しかもここには本は無い。
ここは、文学を守るために浸蝕者と戦った文豪の傷を癒す為に作られた、補修室、という場所だ。
今日の潜書の回数は、この図書館の戦力を補っている第一会派、第二会派のメンバーがほとんど外出していたため、急遽結成した会派で行ったたった一回だけだった。
会派筆頭は織田作之助。
元々は他の人に頼もうと思っていた会派筆頭だが、彼が根気強く立候補したのと、初期文豪の為、まだここに来て間もない文豪達を引っ張ってくれるだろう。と言う考えによって決定された。
だが、そこでオダサクが喪失になるまで追い詰められてしまった。
誰もが驚いた。
一番経験を積んでいるはずのオダサクが、あそこまで追い詰められるとは思っていなかったからだ。
潜書を行った本は、今、まさにオダサクの近くに居る、堀辰雄が著者の聖家族。
聖家族はいの段の一番最後にあるが、それでもその本に潜むまだ浸蝕者は弱い方で、オダサクにとっては全く苦戦などしない相手だった。
なら、何故？何故ここまで追い詰められてしまったのだろうか。
理由は簡単。そもそものオダサクの体調が原因だった。
「……それにしても、なんで体調が優れない状態で潜書なんかしようとしたんだ…？
いや、それに気づかなかった俺達も悪いんだが」
「それはまだ分かんないです……本当にどうしたんでしょうか………あの、太宰さんって、まだ見つかって無いんですよね…」
「ああ、そうだな。白樺派の奴らが中心になって図書館周辺を探して、無頼派の奴らが電車乗り継いで遠くの方探してはいるが…まだ連絡が来てねえな。」
体調不良。太宰に少し感ずかれながらも潜書に行ったオダサクを襲ったのは、急激に上がった体温と、酷い咳と、どうしようもないぐらいの手足の震えだった。
その時にはもう戦闘中。
足が縺れて、息が続かなくなり、視界がボヤけ、いつもよりも精神力がどんどん削れていく中で、まだ弱い会派のメンバーを必死に庇って戦っていた。
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筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» こちらこそすみませんでした…素敵なお誘いありがとうございました！ (2020年11月9日 23時) (
レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» いえいえ！！こちらこそ、無理なお誘いしてすみません(汗) 本当、定期的にコメントしにきます((((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» ごめんなさい！本当に申し訳ないんですけど、私、占ツクで作品を見たり、書いたりすることしかやってないので、出来ないです……誘ってくださったのにすみません… (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» あの！よろしければ…ボードとかでお話しできないですかね(((((こrrrr (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» 私も嬉しいです！ダメです逝かないでください((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筆ペン屋さん 極細 | 作成日時：2020年7月27日 0時
