※ ページ24
ズキン。
「＿＿っ痛って！？」
「あっ、すまん！大丈夫か！？」
上半身を完全に起こした時、後頭部に電流が流れたような衝撃が身体中に走った。
その衝撃はやがて痛みへと変貌し、全身を痺れさせる。特に後頭部が一番痛い。
頭がピリピリして、目が回る。
思わずよろけて、身の回りにある物を掴み、痛みの原因となっていると思われる後頭部をさすろうとする。
「れ？」
痛みに悶絶する中、やっと手が届いた後頭部をさすろうとすると、フワッ、というか、表面がサラッとした、ガーゼの様な物に触れた。
ガーゼの様な物を伝ってみると、それは坂田の額の辺りまで伸びており、途中でそのガーゼの様なものがキツく結ばれていることがわかった。
また、よろけた時に視線が男から大きくずれ、坂田が咄嗟に掴んだ物の方に向いていた。
それは木。木だった。
正確には、加工され、ほとんどのペンキが剥がれ落ちるほどの月日がたっているもの。
「…ん、あれ…？公園…」
坂田はそれを見た瞬間、自分がいる場所がすぐに分かった。公園だと。
坂田が見たものは公園の古びたベンチ。そして、そのベンチは坂田も見慣れたものである。
流石にもう高校生。遊具でキャッキャと言いながら遊びはしないが、この家の近所の公園には、随分と小学生の頃に遊んだ時の記憶がある。
それは脳内にしっかりとこびりついており、このベンチだって、遊び疲れ果てた時に、何度も坂田がお世話になったものだ。忘れるわけが無い。
ひとまず自分がいる場所が分かったことにほっとする。
胸を撫で下ろし、痛みが引いてきた中で、ベンチに座り直し、坂田は男の方へ向いた。
「……ありがとうございました！」
「…な、急にどうした？」
そして、丁寧に頭を下げる。なんの前触れもなくお礼を言われたので、男は思わず返事ではなく質問を返す。
今の質問でわかるように、坂田の行動を少し不思議に思っている男に向けて坂田はこう言った。
「…いや、何があったか俺もよく分からないんですけど、これ包帯…ですよね、多分俺怪我して、倒れちゃったんですよね。分かんないけど。
で、ここまで俺のこと運んでくれたのかなと思ったので、とりあえずお礼を！」
呂律が上手く回っていない。上手く伝えたいことを文章にできていない。これも先程まで意識がなかったという事が関係しているのだろう。
だが、言いたい事は伝わった。坂田は、この人が気を失った自分を助けてくれたのかな。と思っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» こちらこそすみませんでした…素敵なお誘いありがとうございました！ (2020年11月9日 23時) (
レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» いえいえ！！こちらこそ、無理なお誘いしてすみません(汗) 本当、定期的にコメントしにきます((((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» ごめんなさい！本当に申し訳ないんですけど、私、占ツクで作品を見たり、書いたりすることしかやってないので、出来ないです……誘ってくださったのにすみません… (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘みかん@crew(プロフ) - 筆ペン屋さん 極細さん» あの！よろしければ…ボードとかでお話しできないですかね(((((こrrrr (2020年11月9日 23時) (レス) id: 0a393c33d8 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 柑橘みかん@crewさん» 私も嬉しいです！ダメです逝かないでください((( (2020年11月9日 23時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：筆ペン屋さん 極細 | 作成日時：2020年7月27日 0時
