雪の降る病院20

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渡辺side





ちょっと気になって近づいてみる。





翔「ねえ、何やってんの？」





同じ科のチビにしてはあんまり見たことない顔。




ってことは、新しい子かな。






話かけると、びっくりしたようで、男の子は慌ててベンチを立った。






翔「あ、え、、いや、立たなくていいよ。」




「っ、なに？」





俺が急に話かけてきたのにビビってんのかな。





翔「いや、、暇そうだったから、何してんのかなって。」





「え？、、、」





翔「いや、俺、多分同じ病棟なの。

ほら、これ、ネームバンド、、水色だし。」





「ふぅん、、、」




不審者扱いして焦った俺は、


慌ててネームバンドをみせる。



すると、興味なさそうに再びベンチに座ったその子。





なんだよ。笑



意味わかんね。笑





翔「、、てかさ、友達とかさ、いないの？

置いてかれちゃった？」





「、、、なんでそんなこと聞くの？」





翔「いや、、なんとなく。」





「、、お兄ちゃんだって一人ぼっちじゃん。」





まあ、そうだけど、、、





翔「、、てかさ、お前名前なんだよ？」





ホントはいるんだよとか、



今日は部屋に置いてきたとか言いたいことはあったけど、





思ったより生意気な言動に



言い返す言葉が見当たらなくて、話題を逸らす。笑






「お兄ちゃん先に言ってよ。」





翔「ああ、ごめん。俺、渡辺翔太。中学、、１年生。」




なーんかあっちのペースに乗せられて自己紹介させられたんだけど。笑





翔「俺言ったよ。お前は？」





「なお。六才。1年生。」





大人びた口ぶりの割には、




見た目は年齢相応でちょっと面白い。





翔「へえ、つーかさ、お前なんで一人でこんなとこいんの？」





な「お兄ちゃんだって一人のくせに。笑」





翔「俺はいいの。お兄さんだから。」







またなんか生意気な口きいてきたから、



なんとかごまかして、話題をふる。笑






翔「え？ここまで一人？」




な「、、うん。」






その話題を振った途端、顔つきが暗くなるなお。




不思議に思ったけど、気にせず続ける。






翔「看護師さんとか、先生とか着いてきてくれなかったの？」




な「、、、着いてきちゃだめだよ。」




翔「え？」




な「だって、検査するって言われたから嫌でここ来たんだもん。」





はは〜ん、そういうこと。笑

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