2発目 ページ4
.
静かな部屋の中にコポコポとお湯の沸騰する音だけが響く
その空間にいるのは私と
.
.
『いやぁ〜大変だったね……』
右目の隠れた私と同じ位の年端もいかない男の子
.
「……何のつもりよ」
私は冷たく言い放った
『何って…困ってる人がいたら普通助けるだろ？』
「私は助けてなんて言ってない」
『でも苦しそうな顔してた』
「貴方に何がわかるのよ!!!!」
そう言って私は男の子の前に向いて自分ま前髪をかきあげた
.
.
「私はバケモノなんだ！醜い三つ目のバケモノ!!!!それでも可哀想だなんて優しい言葉がかけられるの!?馬鹿にするのもいい加減にしろよ!!!!」
私の前髪から覗かせた目を男の子は何も言わずにじっと見つめる
.
.
.
『君はバケモノなんかじゃないよ』
「アンタに何がっ『もしも君がバケモノならば…』……っ!?そ、それ……」
男の子も自分の右の顔にかかった前髪をゆっくりとかきあげた
そこにはその白い肌には似つかわしくない
赤く爛れたヤケドの痕が右の顔全体を覆っていた
『君がバケモノならば……僕はきっと怪物だ……』
.
「っ……」
.
『でもね……君が思ってるよりも……
世界は明るくて楽しい所なんだよ！
だから……こんな僕で良かったら友達になろうよ！』
「うんっ………私もお友達なりにたいっ」
私の目から涙が溢れた
悲しいとか苦しいとか痛いとかじゃなくて
私は初めて嬉しくて泣いた……
.
.
『あぁ、ほら泣かないでよ！紅茶を入れてみたんだ』
どうぞと渡すその紅茶を受け取り、ゴクリと一口飲んで見た
.
.
「………薄い」
『えぇ！ちゃんと本の通りにやってみたのに…あ！ホントだ……味が薄い！』
「フッ……アハハハハハッ！」
シェフのシュトロイゼンが入れてくれる紅茶なんかより
ずっと味が薄くて香りの無いヘタクソな紅茶だったけど
『うん！やっぱり君にはその可愛い笑顔が良く似合うよ！』
「っ/////……何それ……変な人」
.
.
あの日の紅茶の味は忘れることのない
今までに出会ったどんな紅茶よりも美味しく感じた
.
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
泡沫 ザクロ(プロフ) - 彼方さん» ありがとうごぜぇやす！期末テストが終わったらめっちゃ書くわ！ (2018年6月30日 6時) (
レス) id: 818f5c4556 (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - プリンちゃんぐぅかわ(。´д⊂)作者さんもっと書いてー(。-人-。)応援しとるから更新頑張ってな！ (2018年6月29日 23時) (レス) id: 76ff98b133 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫 ザクロ(プロフ) - 46猫さん» うぉう！ナイスアイデアです!!!! (2018年6月1日 19時) (レス) id: 818f5c4556 (このIDを非表示/違反報告)
46猫(プロフ) - 面白いです！ 頑張ってください！ 後勝手な想像ですが幼少期のCVは高山みなみさんかなと思っていますwww (2018年6月1日 10時) (レス) id: 077adc2573 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫 ザクロ(プロフ) - アユラさん» ありがとうございます！ (2018年5月4日 17時) (レス) id: 818f5c4556 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：泡沫 ザクロ x他2人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月27日 21時
