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「こんな風に」
後頭部に何かが触れた。手だ。大きくて温かい、空閑くんの手だ。
「少し強引かもしんねえけど」
呼吸が止まった。止まったんじゃない。止められた。温かい。なんだこれは。口に、温かいものが。目の前に、空閑くんの顔が。
口元の熱が、離れた。彼の顔がしっかり見える。長い睫毛とか、真っ直ぐ射抜くような目とか、すっと通った鼻筋とか、今私と同じようにいつもより多めに酸素を吸っている口とか。
「こうやってキスして」
後頭部にある温かい手に力が入るのがわかった。同時に彼の整った顔が少し横に傾く。傾きながら、近づいてくる
「んっ」
突然のことに対応仕切れていないせいで、変な声が出てしまった気がする。しかしそんなことはどうでもよかった。呼吸が苦しい。そのまま後ろへ力が加えられていく。倒れるわけにはいかないから、必然と私は後ずさる。そのまま、唇にやわらかい感触と熱が触れたまま、ゆっくり、ゆっくりと。
砂利が踏まれて引きずられて、悲鳴をあげる。さっき私が一回転したときよりも大きく。でも呼吸さえ忘れている私達にそんな悲鳴は届かない。
そのまま唇ごと押され続けていると、膝裏になにかがぶつかった。より後頭部に力が加わる。腰にも腕が回され、ゆっくりと膝が曲がる。
キィ……と金属が軋む音がした。同時に唇に触れている熱が離れ、自分がブランコに座っているのだと認識する。
「空閑く」
「そっと抱きしめて」
全身が、温かい。ぐっと込められた力は、苦しくなんて無かった。むしろ、すぐ近くに空閑くんがいる。どんなに自分が不安定で倒れそうでも、支えてくれているから絶対に倒れないだろうという安心感さえ覚えた。
「大丈夫だ、なんとかなる。お前は頑張ってる」
ーーそう言ってやる。
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瑞絋(プロフ) - 芦葉奏さん» 話自体は本当に面白かったですしこれからも頑張って下さい！ (2017年6月13日 12時) (
レス) id: 0c0ed676de (このIDを非表示/違反報告)
芦葉奏(プロフ) - 瑞絋さん» 読んでいただき本当にありがとうございました(*´▽｀*)「〜た」が多いのは私も今悩んでいて、改善しようと思っているところなんです笑 やっぱり端から見てもそう思いましたよね……。批評ありがとうございました！ 頑張ります！(*^▽^*) (2017年6月12日 21時) (レス) id: dc97fafdcc (このIDを非表示/違反報告)
瑞絋(プロフ) - 読ませていただきました。個人的に面白かったです、キャラがどんな感じかはっきりわかりますし主人公とキャラの性格の違いがうまく表現出来ているな、と思いました。強いて言えば、「〜た。」が少し多い気がしました。気がしました (2017年6月12日 19時) (レス) id: 0c0ed676de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芦葉奏 | 作成日時：2017年5月28日 0時
