Ep.45「予想外の出会い」 ページ1
その車内は、とても居心地が良かった。それは運転手の手腕故である。彼の能力を五条に独占させておくのは、非常に残念だなと思う。心底。
すると、お睡魔様の降臨と戦う私の隣から、そんな眠気を覚ます一声。
「伊地知、コンビニ寄って」
思考の霧が払われた。
「伊地知くんこんな横暴な男の言うことなんて聞かなくていいよ」
「えっ、あ、あの………」
「うげぇ、お前起きてたの。いいじゃん、ちょっとくらい」
「いいじゃんじゃない。今何時だと思ってるの、人手不足は術師だけじゃないでしょ。ほら見なさい!伊地知くんの目の下のクマの酷いこと!!」
「コンビニの新作スイーツかってこーよ。A奢りね」
「人の話を聞け!!!」
車は滑らかに、コンビニに駐車した。
さて、何故私が五条の任務に同行していたのか。知っての通り、現存の術師最強の五条に助けなんて必要ない。一級呪霊を雑魚だとかほざいて叩きのめしていく五条にとって、助っ人なんて存在は逆に邪魔だ。
それでも私が派遣されたのは、五条の報告書の書き方があまりに
なんなんだ、たったの一文。「ザコだった」だぁ?報告書の体をなしてない。わかった、お前夏休みの感想文書けなかった人間だろ。
つまり、私は五条の報告書をマトモなものにする、ただそのためだけに彼の任務にノコノコくっついて行ったわけである。こんな時間の浪費があるだろうか。学長に言われてなきゃ絶対行かなかった。私以外で暇がある一級術師、他にもいたと思うんだけど………。
二年前、推薦を受けて一級術師に昇級した。それは、自分がある一定の強さの基準に達することができたのを、客観的に認めてもらえたということで。私にとって大きな意味を持った。
………でも、一級術師になったからと言って、特段変化があったわけでもなかった。任務は山積み、休暇は二週間後、とブラックもブラックな勤務体制がより強化されただけであった。
後輩の七海くんは一般企業に就職したと聞いて、私もいつか呪術師はやめようかな、と考えていたりする。でも、すっかり
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時