Ep.01 ページ2
「おいしー……」
「だろ?絶対Aは好きだと思ったんだよ!」
某全国チェーンのカフェで、先週から販売されていた新作のいちごフラッペ。元々気になってはいたんだけど、中々うまい。
ちゅ〜〜とフラッペを吸う私を、黒羽快斗は白い歯を見せて、"してやったり"という顔で笑って見ている。
「態々学校まで来るから何かと思えば……目立つのいやなので、次はやめてください」
「おー?次も頼っていいのか?」
「だって今まで結局手伝ってるし……」
「だからそのお礼っつって、こうして奢ってるだろ?二週間後は抹茶味の新作が出るらしいぜ」
「抹茶好きじゃないので」
「え!?嘘だろ!?」
目を丸くして戯けたように驚く彼の実情が、まさかどキザな世紀の大怪盗だなんて、この店にいる誰にわかるだろう。
カップに刺さったストローを咥えながら、カバンの中からスマホを取り出す。
開いたホーム画面に、通知が来ている。
その中のニュースの一つ。
『速報:怪盗キッド、鈴木財閥相談役に宣戦布告!!』
ふぅん。
目を眇めて画面を見ていると、ヒョイとスマホを奪われた。
「あ、ちょっ……」
「そーゆーわけで」
「どーゆーわけですかっ」
スマホを奪った犯人は、ニヤニヤと笑っている。
このお調子者め。
「これからも頼むぜ。相棒さんよ」
そう言う彼に、私はいつもの調子で返す。
「黒羽さんの逮捕に、懸賞金がかけられるようになるまでです」
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作者名:やなり | 作成日時:2023年8月3日 23時