【立海】私の理想は現状維持 3 (ページ7)

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氷帝の時と同じようにカゴにスクイズと氷、タオルを入れて青学の皆が練習をするコート内に入る。

貴「手伝ってもらっちゃってごめんね。ありがとう」

一緒にカゴを運ぶのを手伝ってくれたリョーマにお礼を言うと、ぶっきらぼうに「別に」と言われた。

可愛げがあるんだかないんだか……

菊丸「にゃににゃに？越前さては……Aのポイント稼ぎだな～！？」

越前「うわっ、ちょ、英二先輩重いっス！ていうかポイント稼ぎってなんスか」

桃城「そりゃ、好感度ポイントに決まってるじゃねーか！！」

不二「フフッ、越前も隅に置けないね」

コート内に入った一瞬で、私達の周りはリョーマに飛び乗ってきた英二をきっかけに一気に騒がしくなった。
こういう雰囲気、私は嫌いじゃないけど。

不二「ドリンク、貰ってもいいかい？」

貴「あっ、うん！」

横からスッと顔を出してきた周助にスクイズを渡すと爽やかな笑顔でお礼を言われた。
周助ってあざくモテてそうだなぁ、とこの時密かに思った。

菊丸「あ～！俺にも頂戴よA！」

貴「はいはい」

さっきまでそこらじゅうをぴょんぴょんと飛び跳ねていた英二にもスクイズを渡すと、幸せそうな顔で飲んだ。
確かにこの暑さの中で練習してちゃ水分が欲しくなるのも当たり前か。

桃城「いやぁ、やっぱマネージャーってロマンがあるっすよねぇ」

菊丸「うんうん！ウチにはいないもんねー！」

桃城「前竜崎のばあさんに言ったら『そんなん自分らでやれ！』って言われましたもん」

徐々に騒がしくなるコート内に自然と顔が綻ぶ。

貴「あはは、リョーマの周りは楽しそうでいいね」

越前「うるさいだけだよ」

帽子を被り直しながらそう言うリョーマ。
そんな事言う割には嬉しそうな顔してるように見えるけど。

大石「こら皆！ちゃんと練習しなきゃ駄目じゃないか！」

菊丸「うげっ、大石だっ。逃げろ逃げろ～！」

突如額に汗を浮かべこっちの方に駆け寄ってくる大石とそれを見て逃げ出す英二達。
様子から察するに、やっぱり大石のポジションは苦労人なんだろうと同情した。

大石「全く英二達の奴……って君、わざわざこれを持ってきてくれたのか！ありがとう！」

貴「いやいや、仕事ですから任せて！私の方こそなんか練習邪魔しちゃったみたいでごめんね。それじゃあ」

少し遠くで顔に青筋を浮かべる手塚が目に入り、私はやたら騒がしい青学コートを早足に去った。