【立海】私の理想は現状維持 3 (ページ11)

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柳のおかげでなんとか無事立海のコートから無事に生きて出られることが出来た。

まああんな喧嘩吹っかけなければよかった話なんだけど……あそこまでやられてただ黙ってるっていうのも性にあわないしね。

｢うんうん、逆に良くぞ言ってやったぞ私！｣と自分を褒めながらカートを押し進んでいると、四天宝寺用のコートが目に入った。

瞬間、私はカートを押す力を強め、足早にコートの方へ向かった。

目の前まで着くとそそくさとスクイズとタオルをカゴに移すという本日4度目の作業をし終え、ドアを開けて中に入る。

？｢Aのねーちゃーん！！！！｣

貴｢えっ、ちょっ｣

気づいた時にはもう遅かった。
前から助走をつけて飛んできた金太郎の勢いで私はバランスを崩した。

生憎、手はカゴで塞がっていて受身のとり様がない。
ということは、地面直撃不可避だ。

？｢よっ……っと！｣

ボフッ、という音と共に背中に伝う温もり。

貴｢………謙也！｣

強ばって瞑っていた目を開けると、喧嘩が私を支えてくれていた。

謙也｢あぶなかったなー｣

白石｢コラ金ちゃん！A荷物もってるんに危ないやろ！｣

謙也が私を起こしてくれ、蔵は金太郎をひっぺ返した。

遠山｢か、堪忍なぁ……｣

頭を蔵に抑えられながら私に頭を下げる形で謝る金太郎。

貴｢大丈夫大丈夫、謙也が受け止めてくれたしね？｣

そう言い謙也の方に目をやると、腰に手を当ててエッヘンとばかりに鼻が高そうな顔をしていた。

財前｢たまには謙也さんも役に立つんすね｣

謙也｢なっ！たまにはってなんやたまにはって！！！｣

千歳｢財前と謙也はいつも仲が良かねー｣

財前・謙也｢｢仲良くないわ！／っすわ｣｣

貴｢わあ、見事なハモり。やっぱ仲良いね｣

謙也｢だから仲良うないわ！！！｣

今度は私に怒鳴り声をあげて頭をぐりぐりやってきた。

貴｢ちょっと！痛いってば！暴力変態！｣

財前｢うわー謙也さんへんたーい｣

金色｢謙也くん、女の子に手出しちゃダメじゃないッ！｣

一氏｢それ小春にやったやタダじゃおかんからなー！｣

謙也｢…………お前らなぁ！！！！｣

遠山｢わー！謙也が怒ったでー！｣

追いかけっこを始めた皆を横目に、蔵が私の隣までやってきた。

白石｢いや、すまんないつも騒がしくて…｣

貴｢ううん、全然｣

さっきが立海コートだっただけに、四天宝寺のこのいつもの感じがとても安心した。