偉大な力 ページ7
痛い。痛い。痛い。頭の中を回り続けるこの言葉。思考をマイナスな方へと引っ張っていく。呼吸がしにくい。体温が下がっていくのを感じる。動けない。もうこんな思いをするならいっそ死んでしまいたい。誰か私を殺して欲しい。そう伝えたいのに声は言う事を聞かない。
急にひとりでに前髪が動いた。床を通して一定の振動が伝わる。私を殺しに来てくれたのだろうか。その希望を信じて声をかけると振動が止まった。私の言葉が予想外だったのだろう。どうやら私の希望は外れてしまったらしい。ぬか喜びだった事を落ち込んでいると、身体中に多少の圧迫感を感じ、抱きしめられている事に気づいた。そうして、右手・右足・腕・目元を手のような物で撫でられた気がする。急に触られたのに不快では無い。逆に安心してしまう。自分の呼吸がゆっくりになり、頭がスッキリとする。
この人は一体誰なのだろうか。妙に落ち着く。誰だ。お腹を治すのが先だと思っていたが、この人が誰なのかを確認したい思い、目の周りの筋肉に力を入れる。暗闇だった視界がぼやけ、ぼやけた視界が鮮明となっていくにつれて、どんどん眩しくなっていく視界にまだ目が慣れない。視界がハッキリとして目の前の人物を捉えると、自分が落ち着いた訳に納得した。
いちばん長い時間を共にしてきた人。
いちばんその人物の呼び名を音にしてきた。
いちばん大好きな人。
私の事を1番思ってくれる人。
私の欲しい言葉を全部くれる人。
『とう、さ？』
今まで沢山の表情を見てきたはずなのに、この表情は初めて見た。切羽詰まった焦りの顔。あ、この顔も初めてだ。でも、出来れば見たくなかったし、させたくなかったな。泣きそうになる顔なんて。いつもはかっちりしている髪もこんなに崩れちゃって。急いできてくれたんだろうな。
「……ああ、私だ。父さんだ。分かるか……？」
『わかる、よ』
返答を聞くと、父さんが膝上に私を向かい合わせになるように乗せ、私の両頬に手を当て、額を合わせると安心したかのように深呼吸をした。
「本当に見えてるか？大丈夫なのか？いや、先に怪我の回復からだな。優先的に腹からだが、いけるか？本当は落ち着くまで待ってやりたいのだが、お前の体力を考えるとそんな時間は無いんだ」
『で、きる』
お腹に意識するとさっきまで苦戦していたのが嘘のように簡単にお腹が元通りになった。父さんの額と両手が密着しているからなのだろう。
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うみん(プロフ) - パーカーさん» 2年の修行に入るまでを第1部として一旦完結、間の2年間を第2部、2年後を第3部にするつもりです！それぞれキリのいい形で終わらせるつもりなので、1部はこの章で完結だからあと少しです！！ (3月19日 5時) (
レス) id: 933334a956 (このIDを非表示/違反報告)
パーカー - 2回目のコメントごめんなさい！気になった事がありまして、この話は最終話はまだまだですか？(誤字あったらすんません) (3月18日 18時) (レス) @page18 id: 13475ac173 (このIDを非表示/違反報告)
うみん(プロフ) - パーカーさん» パーカー様！初めまして！！最初めちゃ読みにくいのにここまで読んで頂き感謝感激雨あられって感じです；；お話の完成度上げてこれからも頑張ります！！ (3月11日 12時) (レス) id: 933334a956 (このIDを非表示/違反報告)
パーカー - 初めまして！この話はとても面白くて、一気に見ちゃいました！！気長に待つのでうみん様のペースで更新して下さい！(誤字あったらごめんなさい) (3月10日 23時) (レス) @page17 id: 13475ac173 (このIDを非表示/違反報告)
うみん(プロフ) - メイデーアさん» あ、、、それある海賊団のあるメンバーの前でやっちゃう予定です笑。面白いと言って頂けてほんとに嬉しいです；；早くシリアス抜け出して面白要素詰め込みたいです、！！ (2月25日 23時) (レス) id: 933334a956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年11月5日 23時
