東海と！ (ページ26)

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座敷で仰向けになってギターを抱えるとしみつ

私はいつだって彼のギターと歌声が大好き

私もギターを弾くし、歌うのも好きだ
けど、彼の足元にも及ばないくらいの実力

だから、私は昔からとしみつの横で聴くのが専門

本当は隣に行っていろんなリクエストをして
彼の手から紡がれる綺麗なギターと
彼の喉から奏でられる繊細な歌声を独り占めしたい

いつだって隣で歌って笑っていてほしい

けど、私たちはすぐケンカしちゃう

しかも、お互いを守ろうとして

ケンカをすると素直じゃない私たちは
仲直りするのも小っ恥ずかしくて
余計に話せなくなったりして余計拗れて

結局りょうくんとか、てつやが間に入って
仲直りしてたんだよね。

だから高校生の時に、2人で約束を作ったの

「どっちかがギター弾きながらあの曲を歌ったら、仲直りしてほしいってこと」

素直に口にできない私たちにできることは
音楽に乗せて気持ちを伝えること

たった2人の約束なの

その約束は今も大切に守られてる。

ほらね、座敷から聴こえてきたあの曲

そっととしみつの背中に寄りかかる

と「ごめん」

『ううん。私もごめん』

これで終わり。

また違う、私の好きな曲を歌うとしくんに

『としくん、好きよ』

と伝えても彼には聴こえてないだろう

おじいちゃん、おばあちゃんになっても
ケンカしたらその曲を歌ってね。