来日4 ページ44
＊
※A組の何人かがAくんのファンで一部がオタク
「お客さんだ」
担任の相澤が連れてきたのは、昨日ライブを行ったシンガーのAとその親友のロディだった。来客を示すカードを首からぶら下げた2人は「こんばんは！」と綺麗な日本語を発する。
ハイツアライアンスにてゆったりした時間を過ごしていたA組は絶叫した。
「え、ウソ、マジのやつ？なにドッキリ？」
「やばいAがいるなんで？」
早口の日本語で何を言っているか理解できないAとロディだが、歓迎されてはいるようだと安心した。職員寮へ戻って行った相澤にお辞儀をしてロディは見知った顔を探す。
どうやらこの場にデクと爆豪はいないようだ。
「『ショート！』」
ロディが手を振ると気づいた轟が「昨日ぶりだな」と寄る。一般人であるロディに対して誰？といった表情の一同だが、Aが轟の名を呼ぶとギョッとした。
「『来るなら言えよ』」
「『おれらサプライズが好きだからさ。なあロディ』」
「『ちゃんと学校の先生には言ってあったしアポなしじゃないぜ』」
「『ところで動画のさ〜……あ、いた』」
「今日はさっぱりだから」と轟たちにしかわからない内容を呟いてハグをするAは、轟の背中越しにキョロキョロと誰かを探していた。
割り込む隙を探っていた上鳴たちの中から耳郎を見つけると、Aは轟からパッと離れる。
「ジロウさん？」
「へっ！？あ、はい＿＿『そうです！』」
「はじめまして、Aです。ブンカサイ、ドウガみました」
知っている。
耳郎は昨晩行われたAのライブにどうしても行きたくて、家族にも頼んでチケットを申し込んだが全敗したのだ。
なのにインターンに行っているはずのクラスメイトがAと共演(それも1年生の文化祭で披露した曲を、だ)している動画をSNSで発見したときの言語化できない気持ちは一晩たってもハッキリと覚えている。
帰寮したデクたちに訊ねたところ、元々知り合いで、演奏については突然呼ばれたのだと言う。羨ましすぎると耳郎はハンカチを噛んだ。
あの曲を演奏するに至った経緯は、轟が動画を渡したのだと知った耳郎は頭の中が嬉しさと恥ずかしさでごちゃごちゃになった。
だってAは耳郎の憧れなのだから。
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緑猫(プロフ) - ねこさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございました！ (2021年9月28日 22時) (
レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございました (2021年9月28日 15時) (レス) id: 0e99721aee (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - nanoka(*´∀｀)さん» コメントありがとうございます！リクエストもありがとうございました！いつでもいらしてください！ (2021年9月7日 10時) (レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀｀)(プロフ) - まず、完結おめでとうございます！ついつい何度も読み返しちゃいます。リクエストのもありがとうございます！お疲れ様でした！！ (2021年9月7日 0時) (レス) id: 36fe9cda9a (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 枝豆オタクさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいお言葉です…！ぜひ、またいらしてください。 (2021年9月6日 19時) (レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2021年8月24日 18時
