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本当に本当に。会うつもりは無かった。それに外見も職種も何もかもがモブの私がプレイアブルキャラと関わることなど決してないと思っていた。現にテイワットに来てから一、二年は関わることは無かった。だからこそ大丈夫だと、思い返せば薄い根拠ではあったが、私は安心しきっていた。それがここ数ヶ月で破壊されるとは思いもせず。

A「夜遅くにすみません。良かれと思ったのですが、逆に迷惑をかけてしまいました」

アルハイゼン「迷惑をかけたのはあいつの方で、君は被害者だ。そして俺も被害者のようなものだ。この場合謝るべきは彼の方だろう」

A「しかし現に送らせてしまっているので…」

カーヴェさんを無事家まで送り届け、自分も帰宅しようかと踵を返すと、アルハイゼンさんに「家まで送る」と止められてしまった。送ってきたのは私の方なのに送らせてしまっては意味がないと早々にお断りしたのだが、「女性を夜道に放るのは些か礼儀知らずとは思わないか?」と返された。
スメール既プレイの私はディシアちゃんやニィロウちゃんは夜でも送らずに解散したくせに?人情に興味は無いとか先輩に敬意が無い礼儀知らずを繰り返してるくせに?と思ったが、彼女たちは神の目を持っているし、戦闘面でも一般人よりは強い部類だから大丈夫と判断したのかもしれないし、戦えない女性を1人夜道を歩かせることがアルハイゼンの中の「規則」に反しているのかもしれない。
本意は本人にしか分からないが、これ以上断ったところで彼に口で勝てる気がしなかった為、大変申し訳なく思いながらも家まで送ってもらうことにした。

アルハイゼン「君の家は俺の家と反対方向にあったんだな」

A「ええ、はい。そうなりますね」

アルハイゼン「であれば、彼から家の場所を聞いた際に酒場から倍以上の距離を歩くことは想定できただろう?君はこの距離を1人で帰るつもりだったのか?」

考え無しだなと直で言われてしまいムッとしたが、事実であることにはかわりないので何も言い返せなかった。彼の言葉は極端なこともあるがいつも正しくそこが憎めないところである。言い方は少し配慮した方がいいんじゃないかとも思うが、人付き合いをあえて優先しない彼にはこの程度の距離感が心地いいのだろう。

A「送って下さりありがとうございました」

皮肉のような彼の言葉を流し、お礼を告げ家に入ろうとした。ふと彼の顔に目線を向けるとほのかに口元が上を向いていた気がした。

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しいすけ(プロフ) - かなり面白かったです!文章がすごく好みでした。ゆっくりでもいいので、次話の更新楽しみにしています。 (1月12日 0時) (レス) id: b4ab387ec9 (このIDを非表示/違反報告)
テスト2 - あ (12月28日 9時) (レス) id: b93e860056 (このIDを非表示/違反報告)
テスト - あ (12月28日 9時) (レス) id: b68cd99f0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:稲穂 | 作成日時:2023年11月8日 2時

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