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二次創作で何度か目にした泥酔したカーヴェを家まで送るモブがそこでアルハイゼンと同居していることを知るというシチュエーションが、まさか自分が体験できるとは夢にも思っていなかった。

アルハイゼン「随分と重い荷物を持たせてしまったようだ」

A「いえ、そんなことは。だいぶ酔っていたようでしたので。あと、酒場で戻してしまったので安静にしてあげてください」

アルハイゼン「他人に介抱までさせるとは、君は一成人である事を忘れてしまったのか?」

私からカーヴェさんを受け取りながら息を吸うように叱るアルハイゼンさんに、いやこんなやり取り公式でもやってましたなとオタクの心が疼いてしまった。カーヴェさんはゴニョゴニョと小さな声で反論していたみたいだが、呂律も充分でなく聞き取ることは出来なかった。



数年前、突然スメールに来てしまった私は、神の目も凝った服装もしていないただのモブとして生きることを迫られた。私の何故何という疑問は全て、この世界で設定された「私」というプログラムによりかき消された。つまり、最初からこのスメールに住む住人としてテイワットに記録されていたのだ。当然、私にはそんな記憶は無いのだが、初めてテイワットに足をつけた私の家と思われる部屋にはどこか見知った雰囲気を感じていた。

匂いの善し悪しは置いておいて、生活臭というのはどうしたってするもので、そしてその生活臭は身近であればあるほど鈍感になる。そう、慣れてしまったのだ、この異質とも呼べる空間に。
本来トリップなんてすれば正気を保っていられるはずもなく、知らない土地による不安感と安心感を求める帰巣本能とで元の場所に帰りたいと思うのが普通なのだが、生憎私にはその帰巣本能とやらがかけているらしく、帰りたいという思いよりも先に、明日食うものがあるだろかという思考が来てしまった。それ故、家についてや己の身分についてなど、「今」ここで生きるためを探していった結果、いつの間にか不安感等は消え、摩訶不思議な現象に適応してしまったのだ。

率直に言って今現在の暮らしには大変満足している。給料が多い訳では無いが、休みもしっかり取れて、家の広さも悪くない。そして何より快適なのが、皆言葉が通じるということだ。言葉の壁は人が思う以上に高く険しいもので、対応しているかとヒヤヒヤしたが、何処も彼処も日本語だらけでパッチは完璧だった。

そう、不安なことは何も無いのだ。プレイアブルキャラに会うこと以外は。

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しいすけ(プロフ) - かなり面白かったです!文章がすごく好みでした。ゆっくりでもいいので、次話の更新楽しみにしています。 (1月12日 0時) (レス) id: b4ab387ec9 (このIDを非表示/違反報告)
テスト2 - あ (12月28日 9時) (レス) id: b93e860056 (このIDを非表示/違反報告)
テスト - あ (12月28日 9時) (レス) id: b68cd99f0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:稲穂 | 作成日時:2023年11月8日 2時

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