戦勝品の日常

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私はふわっちの手を引いて
近くにあったお店に駆け込んだ




お店に入り、人混みから逃れられた私は
とりあえずほっとした



その様子を見て、
流石に私が限界だったと理解したふわっちは
手を離して私の顔の熱が引くのを待ってくれていた






『はぁ………何で朝からこんなことに………』



不「にゃはは、A可愛いかったぁ〜」



『も、もう限界だからね…………』



不「うんうん、少しずつ慣れていこうなぁ〜」



『…………え？』




軽い茶番を繰り広げていると
奥の方から男性の店員さんが出てきた



店員「何かお探しですか？」



『あ、えと、まだ決まっていなくて………』



不「あ！店員さん、俺が選びますんで大丈夫ですよ」





私の言葉を遮ってふわっちは
さらっと自分が決めると言い張った


急に出てきたふわっちに疑問を持った私は
ふわっちの顔を見てみたら、
いかにも営業スマイルって感じの表情だった





男性の店員さんは若干引きながら
店の奥へささっともどっていってしまった




『ふ、ふわっち？』



不「ん〜？」



『あ…………いや、なんでもない』



不「そ？んじゃ決めようか〜」



『う、うん』




何かよくわからないが、
折角ふわっちが選んでくれるのだから
楽しまないとな










そして、そこからはふわっちセレクトによる、
ファッションショーが始まった


ふわっちが思う私に似合いそうな服を
片っ端から持ってきては着ては脱ぎ、
着ては脱ぎの繰り返しだった




ふわっちは何かこだわりがあるらしく
私が着ても「何か違うんよなぁ」と言って
なかなか決まらない様子だった






しばらくそんな事を続けていると
ふわっちは何か見つけたらしく
店の端まで行って持ってきた



不「これ！一番いいかもしれん！」


『あ、可愛い………』




ふわっちが持ってきたのは
淡い紫色でピンクのラインが入っている
膝丈のワンピースだった






あ、ふわっちのメッシュと同じ色………










着てみると自分で言うのもなんだが、
自分の雰囲気に合っている気がする





試着室のカーテンを開けてふわっちに着た姿を
見せると、ふわっちは目を丸くして驚いた









不「可愛い………めちゃくちゃ似合う……」



『………割とお気に入りかも』








不「何か………Aが俺の色に染まったみたいでええな」




『……………！！』







やっぱり私は





この彼氏に一生勝てない気がする

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