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あ「……っいたた…」





ズキズキする頭を抑え、
重たい体を引きずるように歩く



外はこんなに寒いのに
どんどん体温が上昇していくのが分かる
でも、会って話を聞かなきゃ気が済まない

































あとちょっと……




山のどんどん奥を進んで、やっと見えたのは




あの狼青年の家だ

































凄まじいダルさを必死に抑えながら、
玄関へ向かって震える手でインターホンを押す





ピーンポーン




静寂な家の中にインターホンが響いた





…いないのかな?
中から出てくる気配は一向に無い
せっかくこんなに身を削って来たのに、
まさかの留守?本当勘弁してくれ。

































あ「はあ…嘘でしょ。」




諦めて、
元来た道を戻ろうとしたその時____






「お前…何してんの?」







後ろから聞き覚えのある声
ギクリと体が跳ねる






恐る恐る振り返るとそこには______






涼「ストーカーか、てめえは。」






黒縁メガネをかけた、
茶髪の、
人間に化けた狼青年が立っていた

































あ「あなたに聞きたいことがあってここに来た。」





頭の血管が破裂してしまうんではないかと思う程の
強い痛みを抑え、ゆっくりと話した








涼「あーそ、んじゃ入れば。」




あ「ここでいい、すぐ帰る。」




涼「お前、顔めちゃくちゃ赤いぞ?」





冷たい彼の手が私の頬を包み込んで、
覗き込むようにメガネの奥の瞳が光った





あ「いいからっ…」

































その手はどんどんおでこの方へ__






涼「あっつ、高熱じゃん。」



あ「ちょっ…やめてって。」



涼「いいから入れよ、」



あ「平気だから離して」

































涼「また術かけるぞ?」



あ「………っ。」



涼「全裸でベッドに寝かしつけてやっとくこともできるけど…」






冷たい表情でそんな事を言い出すからこの人はよく分からない





あ「わかった、入ります。」



涼「ふっ…、どうぞ。」







こうやってクシャって笑うんだ…
その新鮮な彼の笑顔に若干ドキッとしながら、
歩き出そうとした

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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時

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