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あ「うっ……っうう…」




声がやっと出たのは
裕翔が完全に夜の闇に消えてから。









抑えてた感情が全て込み上げて、
涙がとめどなく溢れ出す



好きだったんだ、
ちゃんと裕翔の事を好きだったんだ
どこかで期待してしまっていたんだ



もっとちゃんと伝えてれば、
こんな事にはなってなかったのかもしれない
自分の寂しさを紛らわす事だけに夢中だった

































そんなの自業自得だよ、
裕翔の気持ち考えられてなかったんだもん
失ってから気づくってこういう事なんだ





あ「ううっ…裕翔っ…う」





冷たい地面にしゃがみこんで、
ただただ悲しみに暮れる事しか出来ない









だから全然気づかなかった。

































バサッ





何かが被さって視界が暗くなった









あ「はっ…………。」




「ねえ、約束したよね?」








知念君が横に立っていたことに。

































侑「え、めっちゃ泣いてんじゃん」





涙と鼻水でグチャグチャになった私の顔を見て、
慌てた様子
被せたコートを上から着させてくれた







侑「すぐに帰るようにって約束したよね?」





あ「ううっ…………」




侑「泣かないでよ、僕も悲しくなっちゃう。」









それ以降は、
問い詰めることもせず、
私の横に座って優しく背中をさすってくれた


ゆっくりと落ち着きを取り戻して、
涙もひいた

































侑「ん、泣き止んだ?」




泣き止むまで何も言わずに
ずっと隣にいてくれた知念君




あ「うん、ごめんね。」




その優しさが、深い傷を少しだけ埋めてくれる気がした

































頭を1回ポンと叩かれて、
おくるよ、って
ゆっくり立ち上がっている





侑「大丈夫?」





しゃがみ込んだままの私に
そっと手を差し伸べて





侑「辛かったね、ほら帰ろ?」





温かい笑顔
どうして知念君はこんなにも私に優しくしてくれるんだろう
例え私がどんなに拒もうと、
弱った私に今こうして優しく手を差し伸べてくれる

































その優しさに甘えて、
手を取った





侑「よし、帰ろっか。」





いつもより嬉しそうに、
目を輝かせる知念君は、
少し子供っぽくて自然と笑みがこぼれた

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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時

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