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リビングは至って普通だった
普通の人間と同じような家具や、
オシャレなカーテン
大きく飾られた肖像画
無邪気に笑う青年
きっとこれは彼だ
誰かに描いてもらったんだろう
こうやってまじまじと見ると、
やっぱり整ってるな、って
ただの肖像画にでさえ思ってしまう
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視線を横にずらすと、
目に入ったのは
3段の白いタンス
彼がどんな物を収納しているのか、
気になった
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一番下の段には、
無地の白い服が何着も入っていて、
真ん中の段には、
指輪やピアス、ネックレスなどのアクセサリーが
キラキラと光っている
そして、一番上の段
日記帳や筆記用具の下には、
フレームに入れられた写真が、
裏返しに入っている
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私はその写真を手に取った______
あ「………………っ!?」
ガッシャーーーン
大きな音を立てて、
フレームが割れ、その写真にヒビが入った
あ「嘘でしょ……………、なんで…?」
体の震えが止まらなくなり、
地面に引っ張られるようにしゃがみこんで、
動けなくなる
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涼「勝手に何してんだよ」
その音に気づいて起きたのだろう
彼は慌てたように駆け寄りヒビの入った写真を、
元のタンスへと戻す
鋭い視線
怒りに満ちたような表情
涼「おい」
そんなのはどうでもよかった
呼吸が上手く出来ない
私の異変に気づいたのか、
眉間にしわを寄せて
涼「どうした」
そう言って顔を近づけてきた
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私は、体の奥底から振り絞るように
震える声を出す
あ「なんで……………………………」
涼「あ?」
その写真の中には、
柔らかい表情の彼の姿と
その横で無邪気に顔を寄せて笑う女の人____
あ「………お姉ちゃんがいるの…………?」
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彼は、
目を見開き驚いたようにこちらを見ている
彼の手も震え始め、
動揺が抑えきれていない
涼「千世は………………お前の姉……?」
私の目からは涙が溢れ、
床にポタンと落ちた
信じられないと頭を抱えている彼を見て、
頷いた
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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時