狼青年にはご注意を。2

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あ｢それ、私も昨日見ちゃったんだよね。だから振られるんじゃないかって今日は少し会うの怖かった。｣




侑｢………………｣




あ｢私以外に好きな人出来ちゃったかあ〜｣









こんな強がり知念君にはバレバレだろうな。
でもそんな知念君はさっきよりももっと顔が強ばってて、








侑｢違う、僕が言いたいのはそういう事じゃない。｣



あ｢なに？｣



侑｢毎回違うんだよ、その女の人が。｣



あ｢………っ？｣







言っている意味がわからない
理解が追いついていない

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侑｢僕が見かける度、毎回違う女の人と並んで歩いてて、｣




あ｢…………………｣




侑｢毎回公園に行ってから、細い道にどんどん入っていって…、
さすがにそこまでは追いかけられないけど。｣






裕翔、1人だけじゃなかったの？
あの女の人が好きだから別れたんじゃないの？






侑｢その女の人達は靴とかピアスとかマフラーとか、赤いものを身にまとってた｣





あ｢何が言いたいの？｣





侑｢僕がそれを見かけた次の日に、
公園で遺体が発見されたニュースが出た｣






心臓がものすごいスピードで波打っている
そんなの信じない、けど。

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侑｢僕も狼青年の事全く信じてなかったけど、
見かけた次の日にそのニュースが出たんだよ？｣





あ｢そんなこと…｣





侑｢分かってる、そんなの信じないのは分かってる。｣





あ｢裕翔が狼青年だって言いたいの？｣






自分の頭が混乱しすぎて、
何が何だかよく分からなくなって、
もしそれが本当だとしたらどういうこと？






侑｢僕も混乱してるんだよ、毎回仕事終わりに会っちゃって、Aじゃない女の人と歩いてるから後をつけちゃって。｣

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『狼青年は、もう一人いる。』



彼のあの言葉が思い浮かんだ



彼の彼女を殺した犯人
今まで数々の女性を殺してるのは、
裕翔なの？








侑｢Aには隠し通そうとしたけど無理だった｣


あ｢裕翔じゃないよ…絶対。｣






嫌だ信じたくない
あの笑顔が嘘だなんて、
絶対裕翔じゃない



確信なんて無いけど、
あの優しさは絶対嘘じゃないんだよ

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あ｢裕翔じゃない…｣



侑｢ちょっ…と！｣






ｶﾞﾁｬﾝ






急いで家に入った
絶対に裕翔じゃないよ…ね。


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