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あ「…………………………………」
メガネの奥の彼の瞳に惹き込まれる
その目には嘘がないような気がしてしまった
ただ私を見て、
なんとも言えない複雑な表情を浮かべて__
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「数え切れないくらい思ったよ………」
苦笑いをしていて、
その中にはどこか悲しそうな表情もあって。
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あ「アイドルでもそんな風に思うんだ…」
そんなことを口にしていた
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「あ、知ってんの?」
あ「いや店主が言ってた、別にどうでもいいけど」
「あんたは可愛くないね〜」
あ「別に可愛くなくていいから」
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可愛くないのなんて知ってるから、
いちいち口に出してこなくていいよ
そんなの自分が一番わかってる
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「人それぞれの悩みがあんだよ。」
あ「いやでもアイドルなら皆からチヤホヤされて、必要とされて、人生楽しいじゃん。」
「お前な…、そうなるためにどれくらいの努力が必要かわかるか?」
あ「あ……それ私の…」
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私に飲ませた水を平然と飲み干して__
この人も若干酔ってんな__
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「どんなに怒られようと必死に食いついてしがみついて、やっとの思いでみんなやってんだよ…」
空になったペットボトルをぐしゃぐしゃっと潰した
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「アイドルだって裏では相当過酷な思いしてんだよ、幸せを与えるために、必要としてもらうために、死ぬ気で頑張ってんの。」
あ「………………………………………」
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年3月24日 20時