・ ページ29
・
あ「…………………………………」
涼介「………………………………」
・
時がゆっくり進んでいるかのように、
私達の別れを遅めてくれているのかと錯覚するようなほど、
何も聞こえなくなって、
何も見えなくなった
・
・
・
・
涼介「……………………どうなっても知らないよ」
体がビクッと反応するほどの低い声が
耳元で囁く
・
髪に触れる手は、
さっきの手つきと全然違って____
それでも目を逸らすことは出来ない
・
・
・
・
1秒でも長く、
この瞬間すら手離したくないほど
愛おしかった
・
あ「…………………………いいよ」
・
涼介になら、
何をされてもいい、
どんな愛でも感じてたいから
・
・
・
・
涼介「ふーん」
仰向けになった無防備な私をまじまじと見たかと思えば、
目に少しかかった前髪をかきあげて、
ニヤリと口角を上げた
・
胸がトクトクうるさくて、
あと少しでくっついてしまいそうなど、
どんどんと近づいてくる顔______
涼介の視線と私の視線は合わさらない、
少しだけ下を見ていて、
涼介「……………………………………」
・
・
・
・
大きな瞳を閉じて、近づいてくる
その表情は、
今までに見たことの無いくらい美しくて、
ずっと焼き付けていたかった、
・
・
・
でも、
もう戻れない
・
・
・
・
抜け出すことの出来ない沼へとハマっていく__
・
あ「………………………………………」
・
私も、目をゆっくりと閉じて、
その温もりを待った______
・
219人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涼乃 | 作成日時:2021年3月24日 20時