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涼介「冗談で言ったんだけど?」
あ「…………………………………」
ニヤリと意地悪に口角を上げて笑うその顔ですらも、胸がザワザワと騒がしくて
体が熱くなってしまう
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涼介「ふふ、可愛いね〜」
なんて、冷やかすような口調
可愛くないって言ってたくせに………
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可愛いなんて言われた事ないから、
反応に困るって言うか、
変に自分だけ意識しちゃってるって言うか…
どう返していいかわからなくなる
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涼介「はい、ここおいで」
そんな私を見て
涼介が座っているソファの下を指さして、
足を開いている
あ「……え?」
だってそこに行ったら、
すごい距離が近くなっちゃうじゃん
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それでも平然と、
涼介「風邪引くでしょ、俺が乾かしてやる」
そんな事を言ってくるんだから、
こういうアイドルみたいな、
女の子に慣れてる人はこわい
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あ「…………………………」
涼介「ほら、早くここに座る。」
あ「わっ…」
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ほら、無意識にこんなことが出来ちゃうんだよ
私はさっきからずっと落ち着かなくて、
心臓が飛び出そうなほど
波打ってることなんて知らずにさ。
気づけば、涼介の足の間に座っていて、
見上げればすぐ涼介の顔が近くに__
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涼介「熱くない?大丈夫?」
上から降ってくる優しい声に首を縦に降って、
火照た顔がバレないように真っ直ぐ向いていた
温かい風と共に涼介の指先がそっと髪に触れて、
それが照れくさくてくすぐったくて。
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あ「………………………………すき」
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抑えきれない思いが溢れ出てしまう
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私のほんの小さな愛は、
ドライヤーの音にかき消されて、
涼介には届かなかった
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年3月24日 20時