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店「じゃあ今日は気の済むまで飲みな……!」
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あ「………………………………」
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周りの音が遠ざかって、
私と彼だけの間に出来た数秒間
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「………………………………」
コクリと軽く会釈して、何も無かったように仲間の会話に混ざっていった____
私…そんなに声大きかったかな、
それともなんか付いてる?
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店「なに、Aちゃん、あの人達気になるの?」
あ「え…?ああ…なんでもないですよ」
店主の声で我に返った
グラスに残ったお酒をグイッと飲み干す
ぷはあ………美味しい。
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店「……きっと今日はLIVE終わりだろうね〜…」
あ「……………LIVE終わり?」
店「なかなか一般人と紛れてたら気づかれないもんなんだね…アイドルもさあ。」
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店主の視線はさっきの男の人達へ__
ここの常連らしい、初めて知った
あの人達アイドルなんだ
一瞬彼に惹き込まれたのもそのせいか
何となく不思議なオーラというか…
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あ「…幸せでしょうねえ」
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あの人は私と生きてる世界がまるで違うんだ
自分は何のために生きてるのか、
そんなこと考えたこともないんだろうな
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私の視線に気づいたのか、
彼ももう一度こちらを向いた
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……………あなたは幸せなんだろうね。
常に人から求められ、必要とされてさ__
世の中って理不尽…………。
なんて思ったら、なんか余計に虚しくなって、
ふん、ってふてくされたように彼から目を逸らした
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あ「もう一杯……〜」
店「…はいはいー」
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全部全部嫌なこと忘れたい。
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年3月24日 20時