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「わっ、ほら戻ってきたー」
「何やってんだよ玉ちゃん。
藤ヶ谷目ぇ腫れるだろ」
「だってガヤがなかなか泣き止まなくて鬱陶しいから」
「え、まだ泣いてんの？」
北山はしょーがねーなぁと苦笑して、来てくれてありがとねと玉に声を掛けていた。
「あーあ、ガヤのせいでとんでもなく目立っちゃったよ。宮田と来ればよかったー」
「ははは…」
玉はよいしょと立ち上がって俺をチラリと見て、フッと表情を和らげた。
「ガヤ、良かったね」
「…玉、ありがと」
「どーいたしまして」
玉以外にスケジュールの合う人がいなくて、どうしても一緒に来て欲しいと頼み込んで来てもらったのだ。
ずっと今日が来るのを楽しみにしていて数日前からソワソワしていたことを知られているから、めんどくさがるようなポーズを取りながらも付き合ってくれる玉は結局は優しいのだ。
「後はみつに任せるよ」
「うん、帰り気をつけて」
「ほーい」
ひらひらと手を振って帰って行く玉を見ていると、さて…と隣から声がしてよいしょと座る気配。
振り向くと、ちょっと困っているような怒っているような複雑な顔で真っ直ぐ俺を見ていた。
あ…と思った瞬間、北山の眉が少し歪に上がった。
「…自分が何したか分かってるか？」
「っ……」
「舞台に近づくなんて…ましてや演者に抱きつくなんて、ありえないよな？」
「……」
「俺らが普段観客にお願いしている最低限のマナーを、俺らが破ってどうするんだ。
ファンの子が今後マネしたらお前責任取れるのか？」
「……」
責任は、…取れない。
俺にできる事なんて何も無い。
藤ヶ谷は良くてどうしてファンはだめなんだなんて問い詰められたら、俺は返す言葉が無い。
言い訳も何も言えず口を閉ざしてしまった俺に、北山は呆れたようにふぅ…とため息をついた。
迷惑をかけてしまった…、大好きな北山に、俺自身が最もしてはいけないことをしてしまった。
情けなくてすぐにでも涙腺が壊れてしまいそうで、でもここで泣くのは違うって唇をギュッと噛み締めた。
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ひろ(プロフ) - 絢音さまご返信ありがとうございました^_^ 今は過去の別サイトは紹介されてないのですね。それでは新作がアップされる機会を楽しみにしておりますね(o^^o) またご迷惑でなければコメントもさせてください。お忙しいところ、ご連絡くださりありがとうございましたm(_ _)m (2021年5月12日 21時) (
レス) id: 88642e1cbe (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ひろさん» ひろさん、初めまして(^^)いつも作品読んで下さりありがとうございます♪1ページごとにお星様〜、そんな事言ってくれるの初めてです！とっても嬉しいです(^^)実は歴長いですが、過去の作品は別サイトにあり今はご案内していないんです。お気持ちだけ頂戴しますね(^^) (2021年5月12日 21時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 1ページごとにお星様を押すことができたら良いのに。そしたらぜんぶのページでお星さま押します。たびたびのコメント、失礼しました^_^ (2021年4月26日 15時) (レス) id: e1b1489f48 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ - はじめまして。作品いつも楽しみにしています^_^絢音さんの作品の登場人物がみんな優しくて魅力的で、温かい気持ちになるので、とても好きです。他にも作品をお書きになられていらっしゃいますか？可能であれば拝見したいですm(_ _)m (2021年4月26日 14時) (レス) id: e1b1489f48 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» ふふふ、ほんとは怖いままで終わらせようとしてました（小声）たまには思い切りなバッドエンドも書きたいと思いつつ、誰得なんだ？と控えてますw。でも最後の描写少なかったかなー、もう1ページ頑張ってもよかったかなぁーなんて沸々思ってきてます(*ﾟ▽ﾟ*) (2021年4月2日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢音
| 作成日時：2019年11月3日 23時
