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龍友くんは、
半袖ニットにズボンという
ラフな格好だ。
足元には、
アメリカンショートヘアの猫が
1匹。
「こんにちは……」
なんだか、
ぎこちない挨拶に
なってしまった。
龍「まぁ、とりあえず家上がれよ。電話でも話した通り、妹がいるけど俺の友達が遊びに来た時は、自分の部屋から出てこねぇから」
龍友くんが
玄関へ向かって歩き出すと、
あとを追っていた猫が
『ニャー』と、
私の代わりに返事をした。
「かわいい……」
少しだけ……
緊張が和らいだ気がする。
龍「Aは、そっちに座って」
玄関からリビングへ
入ると、
中央にある黒いソファに
私を誘う龍友くん。
龍「ジュースでも飲む？」
すでにリビングの
テーブルには、
ジュースの入ったグラスが
置かれていた。
「あの……」
龍「ん？」
「えっ、と。龍友くんって、亜嵐くんとは仲いいの……？」
初めてきた場所だからか、
どうしたって
戸惑ってしまう。
それでも一度聞いてみたかった。
龍「俺と亜嵐は同じ歳だし、自然と友達になったって感じ」
龍友くんが、
ソファの背にもたれて座った。
「そうなんだ……」
龍友くんと亜嵐くんって
タイプは全然違うけど、
仲のいい友達と
言われれば、
そんな感じだ。
龍「そういえば………」
と言って、
リビングの時計に視線を向けた龍友くん。
その瞬間。
私の体を震わす
言葉を口にする。
龍「亜嵐は、まだか」
「………あ、らん？」
『亜嵐』
私の体の全てが、
その名前に反応した。
「亜嵐………くんも来るの………？」
どうしよう、声が震えてる。
龍「ああ、亜嵐も来るよ。そろそろかも？」
そう言って龍友くんが
インターホンへ体を向けた時、
チャイムが鳴った。
龍「あ、亜嵐か」
インターホンの画面を見た
龍友くんが、
『鍵開けたから入れよ』
と答えれば、
ドクドクと脈打つ私の心臓。
亜嵐くんは、
私が龍友くんの家にいることを
知っているのか、
知らないのか……。
それから少しして、
リビングのドアが開いた。
やって来た亜嵐くんは、
Tシャツにパンツという
シンプルな服装だった。
龍「待ってたぞ、亜嵐」
さっそく声をかけた龍友くんに、
リビングへ
姿を現した亜嵐くんは、
俯いていた顔をゆっくりと上げた。
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作者名：ゆーか
| 作成日時：2018年1月16日 21時
