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龍「ん？俺になんか用？」
見た目は、私と同じ学年くらい。
なんとなく軽そうな感じだ。
龍「あんたって、ここの生徒なんだろ？」
「あ、はい」
龍「制服からしてそうだしな。てか、もっと気楽に話してくれていいから」
「あの、……なんでうちの学校に？」
龍友「ん？それって、俺のこと？」
「………」
黙ってうなずくと。
私の問いかけに答えた龍友くんの言葉が
一気に頭を混乱させた。
龍「俺も中央高校の生徒だからな」
「えっ、生徒……って……」
予想もしなかった言葉に、
声を宙に泳がせてしまった。
「あのでも……制服はどうしたの？」
あ、もしかしたらどこかで着替えたのかもしれない。
そう思ったのも束の間。
またしても、
予想外の言葉が返ってきた。
龍「ここの生徒っつっても、俺らとあんたちとは違うから」
「それはどういう……」
意味なのか。首を捻ると同時に、
龍友くんが、人差し指を西日の方向へ高く伸ばした。
龍「ほら、あれ」
「っ、眩しい……」
思わず右手を額にかざして、
強い光を隠した。
すると、
ぼやけていた視界が、次第にハッキリしてくる。
「えっ、だってあれは、第三校舎……」
不気味でひっそりしていて、
昼間なのに妙に暗くて。
「……あの校舎になにかあるの？」
龍「へぇ……。あんたって、何も知らないんだな？」
龍「てか、なんで俺に声をかけてきたわけ？」
そして、私の時間を一気に巻き戻した。
そうだ。
そうだった。
さっき龍友くんがスマホに向かって
『アラン』って言ったんだ。
「あのっ……さっき『アラン』って言ってるのが、聞こえたから……」
龍「あぁ、アランのことか。もしかして、アランの知り合い？」
と、私へ尋ねてくる龍友くん。
やっぱりさっきの言葉は、
聞き間違いなんかじゃなかったんだ。
「いえ、知り合いって言うわけじゃ……」
アランくんとは、ぶつかった時に
話しかけられたくらいで、
さすがに知り合いとは言えない。
だけど
今一番に会いたい人だ。
会わなければいけない人。
龍「だったらどうしてアランに？」
「あの……、メガネを拾ってくれた恩人っていうか……」
龍「めがね？」
「え、まぁ……」
龍「まぁとにかく、あんたはアランが、その恩人かどうか確かめたいってことね？」
「あ、……うん」
龍「了解。それじゃアランに合わせてやるから、俺について来いよ」
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作者名：ゆーか
| 作成日時：2018年1月16日 21時
