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それから数日後、
わたしは応援団の練習している教室に向かった。
だいぶ、応援の振りが決まってきたから、
写真を撮りに来いと涼太くんに言われたのだ。
そっとのぞいてみると、
涼太くんを中心に団員たちが振り付けの確認を
しているようだった。
真剣な様子に、ひとり部外者が入っていくのが
気がひけて、どうしようかと思っていると、
後ろから声をかけられた。
？「どうしたの？応援団になにか用？」
振り向くと、そこには
焼けた黒い肌が似合う男の人が、立っていた。
制服を着ていなくて、私服……
だけど、先生じゃない。
「あの……、写真を撮りにくるように団長に言われて」
？「ああ、衣装係？だったら、そんなとこいないで、入りなよ」
と、扉をガラッと開けて先に入っていった。
？「涼太！衣装係の子が用だってさ」
話し合いをしていた涼太くんが、
こちらを見てぱっと笑った。
一瞬まるで時間が止まったかのように、
その笑顔に見とれてしまう。
やっぱり笑うだけで、人をひきつけずには
いられない人っているんだよなと思う。
涼「お、A！ちょうどいいや！俺たちこれから振りの練習するから、適当に撮影して」
うなずくと、自分のスマホを取り出した。
カメラ設定して、どうやって撮るか考える。
？「今年は、Tシャツ、写真プリントにするんだって？」
さっきの男の人が声をかけてきた。
？「俺らのときはみんなイラストとかロゴで、写真プリントなんてなかったなぁ。目立ちそうだね」
「あ、もしかして卒業生……？」
？「そう。二年前の卒業生の
数原です。
数原龍友。」
数原さんは誰でも知っている有名私立大の2年生だった。
「宮下です。よろしくお願いします。」
龍「衣装係、大変だよね。俺の代のときなんて衣装係の子が忙しすぎてテンパっちゃってさ、俺たちまで徹夜で手伝ったんだよ。おかげで本番当日ヘロヘロで笑」
「えー、ほんとですか？笑」
そんな話をしていたら、涼太くんの声が飛んできた。
涼「こら、A！サボってないで撮影しろ！」
「サボってない……」
涼「言い訳するなー！」
龍「なんだよ涼太、意外とスパルタだな笑」
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作者名：ゆーか
| 作成日時：2017年10月16日 19時
