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涼「じゃあ、A、ここは俺からも頼む!Aのセンスが必要!衣装係のリーダーやってくれ!」



私にむかって涼太くんが手を合わせた。



夏恋も甘えた声をはりあげる。



夏「A、お願い!」



クラスの人気者、涼太くんと夏恋にお願いされ、

みんなに注目されてしまい、わたしはもはや

うなずくことしかできなくなった。

みんなが拍手してくれたけれど、

わたしはみんなが厄介ごとを

片付けて喜んでいるだけとしかおもえなくて、

なんだか泣きそうだった。



涼「おまえら絶対Aだけに押し付けるなよ!一人でやるのは無理なんだから。ちゃんとやれよ!」



心細そうなわたしをみかねたのか、

涼太くんが、そう言って念を押してくれた。

でも、わたしはこれからのことを思うと



不安しかなかった。





その日の放課後、さっそく衣装係の説明会に出席した。

チア部の練習がある夏恋たちは来られなくて

わたしひとりで出席し、メモを取る。




体育祭までにやらなくてはいけないこと

だいたいのタイムスケジュールが書かれたプリントを

渡されて、想像以上の仕事の多さに思わず

頭がクラクラした。




この作業をほとんどわたしひとりでやることになるんだろう。

夏恋たちに作業を割り振るとしても、その準備

だってそれなりに手がかかる。









結局、わたしはいつもこんな役回。

たいして、評価されない、

地味な係をおしつけられて、

断れなくて、

いつも貧乏くじを引いている気がする。

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作者名:ゆーか | 作成日時:2017年10月16日 19時

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