片寄涼太 Stellar…涙 (ページ25)

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四月も終わりに近づいた頃、六月に行われる体育祭の係決めが行われた。

うちの高校の体育祭は一年から三年まで、縦割りで

四つの軍にわけて競い合うのだけれど、

なかでも名物となっているのが応援団だ。

受験を控える三年生をのぞく、1、2年のなかから

男子のみ各学年五人ずつ、

計十人で結成される。

立候補というよりは推薦で選ばれることが多く

結果的に人気者が集められるので

その注目度も高い。

最初から最後まで、応援に競技に奔走する

応援団の姿は、いつみても爽やかで凛々しくて

他校の女子たちまで見に来るほど花形なのだ。

うちのクラスからはまず一番に涼太くんが選ばれた。

涼太くんは

「よっしゃ！」とガッツポーズを作ると

「俺、団長やるから！」と自ら志願した。

人気者のやる気っぷりに、みんなが

いやおうなく盛り上がる。

涼太くん以外に選ばれた四人も、

それぞれ運動部で活躍する男子たちだ。

彼らはもともと目立つうえに、

応援団をやるとさらに二割増しかっこよく見える。

体育祭のあとにカップルがたくさん生まれるのが

うちの高校の伝統みたいになっていた。