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私は図書室の窓の前に立ち、

そこから見える校庭を見下ろしていた。


午後4時。


部活のある子はそれぞれ部活に、


部活のない子はもうすでに学校を出ていて


ぽっかりと人けがなくなる時間だ。



太陽が少し傾いてはちみつ色の光があたりを


満たしている。


校庭を取り囲むように植えられた桜は


もうだいぶ散ってしまって、


葉桜になりかけていた。


そのピンクからグリーンへの微妙な


グラデーションにひきつけられて


わたしはスマホを取り出すと、横向きに構えた。




そのとき、



さーっと風が吹いて、


残り少ない花びらが風にさらわれ、


ふわりと舞い上がった。



「わー」




わたしは思わず小さく叫ぶ。


こういう神様がくれた贈り物のような


一瞬を最高な形で残したくて、


わたしはあわてて、シャッターを切った。






カシャ、カシャ、カシャ。

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作者名:ゆーか | 作成日時:2017年10月16日 19時

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