片寄涼太 Stellar…涙 (ページ12)

今日:4 hit、昨日:10 hit、合計:260,768 hit

11 ページ12

『なんか、ざわざわした。一瞬だけど』

そうコメントをそえて、アップした。

わたしはスマホをブレザーのポケットにしまい、

目を閉じた。

翌日、いつものように夏恋と一緒に登校した。

夏恋は朝から元気で、昨日結局あのあとに

チア部の仲間と行ったカラオケの話をしてる。

夏「Aもくればよかったのに〜」

「カラオケは苦手」

夏「えー、昔よく行ったじゃん！」

「……小学校のとき、家族ぐるみで１回行ったきりでしょ？」

夏「あれ？そうだっけ？」

そんな話をしながら、学校の門の中に入ったときだった。

涼「おはよう」

と肩を叩かれ、振り向くとそこに片寄涼太が立っていた

涼「おっと」

驚いたわたしが立ち止まったせいで、片寄涼太と

ぶつかってしまった。よろけたわたしの腕を

とっさにつかんでくれたけど、わたしは

あわててその手を振りほどいた。

「お、おはよう」

せいいっぱい冷静を装って返事をしながら、

歩き出した。

片寄涼太はわたしの左側を並んで歩く。

でも、右側にいる夏恋が不思議そうにこちらを

見るから、なんだかどんどん焦ってしまう。

涼「昨日、ごめんな」

「え？」

涼「俺、邪魔したかなと思ってい。真剣に写真撮ってたのに……」

その言葉に思わず

「全然大丈夫！」と大きな声をあげた。

Instagramのこと夏恋には言ってないから、

写真のことはあまりここで話したくない。

夏「え？なに、写真って？」