片寄涼太 Stellar…涙

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写真の加工がうまくいくとうれしくて、早くアップしたくなる。




『今日の空』『おはようございます。よい一日を』
『幸せな風景』『泣きたいくらいきれいな夕焼け』





そんなシンプルな言葉をそえることが

多いけれど、撮ったときの気持ちを残して

おきたいときは、もう少し自分の心を

よく見つめて言葉を考えるようにしている。







毎日ひとつずつアップしていたら、

少しずつ少しずつフォロワーが増えていって、

千を超えたあかりから、広がり方が

ドンドン加速していった。気がついたら

今は二千八百くらいのフォロワーがいる。

顔出しはしていないけど、十六歳って

年齢を出しているから同世代のフォロワーが

やっぱり多い。






でも時々、わたしの両親くらいの世代の人が

『いいね』をくれたりすることもあった。

いろんな人がわたしの世界を認めてくれてるように

思えて、それがただただうれしい。






さっき図書室で撮った写真を開くと、

はちみつ色の日差しが強調されるような

フィルターをかけた。

そして、花びらがふわっと舞い散っている

様子がよく分かるようにトリミングをして

Instagramに送った。







キャプションにまず日付をいれる。

そして、どんな言葉をそえるか考えた。

ふと、横を向いたとき目の前にあった片寄涼太の

横顔が頭に浮かんだ。

一瞬しか見ていないのに、綺麗な鼻筋や

長いまつげや、私のスマホをのぞき込んでいた

真剣なまなざし……、

いろいろなことをクリアに覚えていた。

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