体調不良な〇〇 (ページ6)

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ある日の有栖川帝統ページ6

事務所に着くと左馬刻は何故か1人でトランプで遊んでいた。
一応何も言わないでおいた。
集中しすぎて電話もメールも気付かなかったらしい。

左馬刻は珍しく機嫌が良かったので連れてきたことを許してくれた。
左馬刻に飴村乱数に連絡してもらおうと思ったがさっきまで嫌がっていたのでやめておいた。
理鶯は、事務所にあった布団に有栖川さんを寝かせたあと直ぐに来た。
ついでに、薬草やなんかの虫など色々持って来た。
でも、有栖川さんなら大丈夫だろう。

調理は理鶯に任せ、左馬刻と俺で看病することになった。

汗をかいていたのでタオルで体を拭いて事務所にあったスウェットを着せて体温を測ったら38度後半で正直驚いた。そして冷えピタを貼って水分や袋をかけた洗面器などを用意した時有栖川さんが起きた。

「起きましたか？」

「…ん？……あ、すんません、直ぐに帰りますね…くしゅっ、くしゅん」

「はぁ？お前さっき38度もあったんだぞ、てかどうやって帰るつもりだよ」

「もちろん、徒歩で」

無理やり説得して、この数時間で何度目か分からないため息をついた。まだ最近20歳になったばっかりでまだ子供らしく甘えてもいいと言うのにさっきから周りに迷惑掛けまいと我慢して…ギャンブラーという先入観でどうしようもないやつと勘違いしていたらしい。

色々考えていると、理鶯がお粥を持って来た。

「有栖川、食べれるか？」

「ありがとうございます！理鶯さん」

そう言って食べ始めたが食欲が無いらしく、3口目を必死に食べようとしている。

「無理しなくていいんですよ」

「吐いたら自分が辛いだけだぞ」

「小官は気にしないぞ」

3人で言うと諦めたように謝ってきた。無意識なんだろうが涙目で上目遣いで見つめられると可愛いと思ってしまった。
ほんと何考えてんだ。

本当は薬は使いたくないが仕方なく風邪薬を飲ませて寝かせた。

物音がして起きた。
俺も左馬刻も理鶯もいつの間にか寝ていたらしい。

そういえばなんの音だ？
よく聞くと布団の中から聞こえて来た。
まさかと思い、布団をめくると口を押さえて吐き気を我慢していた。
直ぐに洗面器を渡したが首を振って拒否された。トイレに行くかとも聞いたがまたもや否定された。

いつの間にか2人は起きていて、さっきの会話を聞いたのか理鶯が有栖川さんを横抱きにしてトイレに連れて行った。

理鶯はすまないと言い有栖川さんの口の中に手を入れて吐かせた。
その後水分を取らせて寝かせた。