七十二話 ページ32
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地下通路、その奥の僅かな呪力を頼りに多少駆け足で進む。
原作で考えると再会の日から余り時間が経っていないように思えるが…実際に生きて生活していると違ってくる。
少なくとも二ヶ月は経過しているのだ。
辺り一帯が静まり返っているので靴音が反響する。
中也も其れに気付いたのか、少々警戒した様子で振り返った。
「…!A」
「や」
笑みを一つ浮かべ、手を振る。
すると呆けた貌だった中也が一転、真剣な貌付きになった。
「……お宅の社長から言伝か?」
「うん?…あぁいや、そんなんじゃないよ」
「じゃあ何だ?」
声の掛け方間違えたかな。滅茶苦茶疑われてるんだが。
…微笑みながら片手を挙げて近づいて来るのって……治と一緒だな。だからか、納得。
「久々に会う友人に話しかけるのに理由がいるかい?」
「…手前なぁ……」
あ"ーー、調子狂うわ。と片手で乱雑に頭を掻き、はァ…と溜め息を一つつかれた。
なんか失礼じゃない?気の所為?そっか…。
最初の動作の所為で乱れた髪が気になったので、近付き手櫛で整える。
綺麗な髪してんだから乱暴するんじゃないよ。
何が云いたげな視線を感じたが敢えて無視。私は何も知らん。
「あ、でも注意はしに来たかな」
「…?」
「木。踏まない様に気を付けなよ。構成員全員に伝えておくと尚良し」
「は?」
そう近くない内にQちゃんが拐かされ、異能を強制発動させられる未来がある。
勿論原作が変わりすぎても困るので、全て話すのは気が引ける。が、この程度なら良いだろう。
「…ま、一応覚えとくわ」
「うん。是非そうして」
「しかし手前…見ない内にまた美人になったか?」
「私ね今君がどこでそんなスマートな口説き方を覚えてきたのかとても気になってるよ」
私の知ってる中也(十七〜十八)はそんな褒め言葉云えなかったと記憶してるんだけど。
何があったの?ねぇ何があったの?
私が二度この世界に来る迄に、任務で女性騙して情報抜き取ったりした?首領の事だし容赦無くさせてるだろうけど。
あと原作読んでても云いそうにない雰囲気だったよね?
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時