六十九話 ページ29
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「__それで、貴女方はどうなさるの?
おじさまは見逃してあげて良いけれど、そちらの貴女はそうもいかないわ。
あの時の殺気からして他のどの社員よりも強いのでしょう?だったら尚更此処で捕まえておかなくちゃ。
この異能空間は私の王国、たとえ貴女であろうと負けなくってよ?
おじさまはそうね__フィッツジェラルドさんは見逃したって怒らないけれど、貴方が捕まった時の絶望した顔でも見てみようかしら」
だからそれマフィア首領だよ。気付いて。
目に
まぁこんな目してたら一般人でも"こいつヤバい"って事には気づくだろうけどさ。
恐らく、気分上々な彼女には其れが目に入っていないのだろう。
「__試すかね?」
内心で彼女に警告を出した。
しかし森さんが一言放った瞬間、彼女とアンが震えて微動だにしなくなった。
ほらぁーだから云ったのにー。
しかしルーシーちゃん、一寸可哀想だな。
昨日私の、悟や傑と張り合える位の殺気を受けたのに、今日は森さんの殺気を正面から食らうとは。気の毒だ。
「無理だな。何故ならば君は既に負けている。見るといい」
森さんの指差した方向を恐る恐る振り返る彼女。
少し経てば空間が歪み、扉にしがみつく敦君が現れた。
そこから状況は一転する。
作成内容をルーシーちゃんに語り、予め巻き付けておいたという飾帯を引っ張り、異能を解かないと手を離して道連れにすると脅しをかけた。
敦君が力を緩めていく。
その手が完全に扉から外れ__。
__そして、私が一つ瞬きをすれば見慣れた交差点に立っていた。
敦君、成長したな。
最初の芥川君との戦いの時点では、脅しなんてかけられなかっただろうに。
賢治君達と同じく囚われていた人々に手を貸す皆を見て一つ安堵の溜息を零し、その視線を横に流した。
「ところで森さん、貴方いつの間に守備範囲広がったんです?」
「真逆、君にだけさ」
「はは、嬉しくない」
「マフィアを抜けた途端云うようになったねぇ…。
…何度でも云うが、私はいつでもAくん、君を奪う
「……肝に銘じます」
月下美人、其の花言葉__"強烈な快楽"。
それが指す意味も解らぬ程、私は鈍感ではない。
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時