四十四話 ページ3
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治もきっと、色々と吹っ切れたからこそ、今甘えてきてるのかな。
うん、多分そうなんだろう。
勝手に悩み、自己完結。
…そういえば地下に潜ってる二年間って何してたんだろな。絶対暇じゃん。
そんな風に思い耽っていたら、時の流れは早いもので。
気付けば退社時間となっていた。
ん?早すぎる?立て篭りでこれでも結構時間を取られていたからそうでもないぞ。
各々が帰る準備を進め、段々人が減っていく。夕焼に照らされた探偵社はレトロな雰囲気が満載だ。
私も腰を上げ、荷物を持ち、帰路に着く。
…勿論治も着いてきたけど何か。
たわいもない話をしながら住宅街を歩く。
…足長いな君。なんだよ、四捨五入したらもう足じゃん。
其れ云ったら悟や中原君もだけど。
暫くして高層マンションに着いた。
入居のパスワードはルパンで飲んだ時に教えてある為、治だけでなく作之助や安吾の三人はいつでも入る事が可能だ。
…あ、勿論誰にでも教える訳じゃないよ。信用してる人のみだから。
「じゃあね治」
「うん、また今度泊まりに来るとするよ」
「はは、その時は作之助と安吾も連れて来てね」
「……私一人の時があっても良くないかい?」
「ん?良いよ」
軽く許可すればなんとも言えぬ視線を浴びた。
え?危機感?……大丈夫だって、暗殺の類も性的な類も何かあれば術式で一発だから。
「あ、…そういえば最近猟犬部隊の内二人に遭遇して仲良く談笑したなぁ…………んじゃ治、また明日〜」
「…………え??一寸!?!?」
引き止める声を華麗に無視し、エレベーターに乗る。
わざとらしかったとは思うが、驚いた顔が見れて満足なのである。
何せ治の驚愕顔は貴重なので。
帰宅早々シャワーを浴びて、髪を乾かし、夕食を作る。
食べた後はスマホを持ってベッドに飛び込んだ。
寝れるというのは重要なことだ。呪術師やってて身に染みた。
寝転がった状態で、今後の事(主にドストエフスキーとかいう奴)について思案していると、知らぬ間に私は熟睡していたのだった。
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時