五十八話 ページ18
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「…………なるほど」
程なくして、彼がそう呟いた。なんか納得したらしい。
爪を噛むのを辞め、顔を上げて此方を向くドストエフスキー。あっ
「お陰で新しい物事の見方を知れました。有難うございます」
「どういたし…まして……???」
ごめん君の中で何が起こったの?
「………あ、そうだ。私の術式を知りたいんだったね。
「…ふむ……では、お願いしても?…ですが、彼と同じものはぼくには厳しいかもしれません。
お察しの通り、貧弱体質なものでして」
「んー、じゃあ式神にしようか」
十種影法術__玉犬
黒と白、両方呼び出す。影絵から玉犬が飛び出し、礼儀正しくその場に鎮座した。
「影を媒体にした能力ですか」
「正解」
興味深そうに玉犬(白)の頭を触るドストエフスキー。
あれ可笑しいな、なんか和んで見える。
「……触り心地が良いですね」
「お手入れはちゃんとしてるからねぇ」
そういえば私敬語抜けて……。
いいやもう。どうにでもなれ(ヤケクソ)。
二人して玉犬をモフる事数分。
何方が先だったかなんて覚えちゃいないが、世間話が続いた。なんでだ。
途轍もなく謎を感じたが__一組織の頭目を務めていて、尚且つありとあらゆる人脈を持つ彼の話は存外面白いものだった。
あと、この状況については深く考えたら負けだと思ったので……疑問は心の内に留めておくことにする。
話に相槌を打ちつつ、時たまに彼が突拍子もない事を云ったりするので定期的に私は失笑する。
うん、そうだよね、うきうきお悩み相談会〜とか云っちゃう人だったね確か。そのシーンは知ってるよ私。
因みに、彼は話している際の表情は基本的に真顔だ。其れも相まって余計に笑いが込み上げた。
そんな素知らぬ顔して面白い事云わないで欲しい。腹捩れるから。
代わりと云っては何だが、私も前世での事を話した。
彼は術式の事と、私が異世界から来ていた事は知っていたが呪霊の存在は知らなかったらしい。
一応説明した。秒で理解してた。凄いなって思った(小並感)。
それでも、私が話したのは呪力や呪霊についての一部分のみなので、彼から質問責めを食らった。
結果、呪術界の大半を教える事となった。
彼、多分この世界で一番呪術界について詳しいと思う。…いや、なんでだよ。
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時