五十七話 ページ17
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(※捏造・独自解釈含む)
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「………そうですね…矢張、罪かと」
「異能力者も罪と?」
「えぇ。異能を持っている事は罪です。
彼等が、ぼく達が異能を持つことで生まれた瞬間から"差"が生じます。
この世界は、ヒトは、生まれ乍らにして不平等なのです」
「異能力のせいで苦労させられている人も多いけれど」
「其れもまた罪なのです。異能は本来有るべきでは無いモノなのですから」
へぇ、と軽く相槌を打って視線を海に投げる。
__私的には…彼の話が全く理解出来ないという訳では無かった。というか、そういう考え方するタイプなのかと納得すらあった。
少しだが、魔人:フョードル・ドストエフスキーという人物を理解出来た気がした。
更に話を聞いてみたところ、「異能力者は罪。だから死という救済を与えている(意訳)」と云われた。
うーん、イカれてるね。呪術師なら君みたいなイカれた人大歓迎。
ぶっとんだ思考を聴き乍ら、彼が術式を罪だと主張するのも其れと同じ意味なのだろうな、と考える。
…然し、「自分にしか出来ない事だから自分がやる」…か。
其の手法は大分物騒で偏りがあるが、根本では他人の為を思っての事という訳だ。……ふむ。
「成程、……何というか、疲れそうだねぇ」
「…………はい?」
こて、と首を傾げられた。あ、なんか可愛い。
とか思いつつも、感じた事を言葉にして紡ぐ。
「君は簡単に云うと、恐ろしい程"優しい"のだよ。
殺す、という方法ではあるけれど…話を聞く限りでは、君は"自分の為に"行動していないじゃないか。
あくまでも、他人の為に動いている」
「…………異能力者の居ない世界を創る、というのは自分の為とも云えるかと」
「いいや、違うよ。根本にあるのは他者を思う心だ。そして、そんな"他人の為"に動き続けるだなんて、疲れてしまいそうだと…そう思っただけさ」
つらつらと言葉を述べると、彼は何かを考え込む様にして黙った。
ずっと立っている儘では疲れるだろうと思い、丁度いい背もたれになる木の前に誘導して座らせる。
……一寸天然要素があるな、彼。
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時