四十三話 ページ2
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「真逆、爆弾の解体までしてしまうとは……」
「へぇ、良いじゃないか。有力な社員が入って」
「それはそうですが……」
「まぁ確かに、僕達の仕事が減りますね…」
どこか疲れた顔をする国木田君と、面白そうに茶々を入れる与謝野さん、慰める(?)様に声を掛ける敦君。
「えー…やらないよりはマシだと思うよ?」
「否、それはそうなんだがな…」
__人質を解放した後、解体した爆弾を軍警に預け、社に戻った私達。
報告を聞いた福沢さん____否、社長が「合格だ」と一言云った為、社内はお祝いムードになった。
依頼を共に受けていた国木田君は何故か疲れた様な顔をしていたけれど。今のように。
「そんで治よ、離れろ」
「いーやーだぁ〜!」
「体重をかけるな…ちょ、重い重い重い!」
べしべしと治をシバく。渋々離れていった。
顔を上げて背もたれに凭れ、治の顔を見る。うーん、また拗ねてるな。
「だって朝は乱歩さんとくっついてたしぃ〜…私だって久し振りの再会なんだからさ?もっとこう…ねぇ?何かあっても良くないかい?」
「何かって?」
「こう…嬉しい〜みたいな」
「嬉しい〜」
「ちがぁう!!」
何がだ。……こら、そこ、女性の皆さん?ニヤつかないで助けて?
「治は私の家知ってるんだから会おうと思えば何時でも会えるじゃん…」
「ん〜そうだけど……はっ、そうか!私が泊まりに行けばいいのか!」
「急にどうした???」
治の発想は常に斜め上だな…というか、なんだろ。
四年前(私からすればもう十年前だが)に会った時の治よりも、……甘えが増してるような気が。
最年少幹部という肩書きが消えたからなのか、それとも昔より感情の整理が出来るからなのか。
マフィア時代は冷徹非道で、常に瞳のハイライトが出掛けてたからな、治。
私やさんこいちの二人といる時は別だったけど。
それが今は探偵社員で、のんびりと、誰かを殺す事もなく過ごしている。
加えて地下に潜っていた二年間で心の整理をつけたんだろう。そして社員となって更に二年かけ、今に至ると。
幹部とはいえ十八だったんだし…しかも環境が環境だから思春期ってのもあっただろうし。
幹部だった頃の治、よく拗ねてたし、中原君との喧嘩も…漫画で見た様に、治が揚げ足取ったりして常に優位に立ってるんじゃなくて、ギャーギャー騒ぐ感じだったし。
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Lara - 今日初めて見つけたんですけど好きすぎて一気に全話読んじゃいました!更新も気長に待っときまーす! (5月10日 21時) (レス) @page34 id: f21b034dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - ウゥ……き、気長に待ってますよぉぉッ! (2月21日 19時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 又、ツイステは私もクルーウェル先生が大好きなのでそう言って貰えてとっても嬉しかったです。これからもずっと、よんこいちさんの活動を応援しております。2回にわたり長々と失礼しました。 (2月4日 12時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。よんこいちさん、更新についてきちんと伝えて下さりありがとうございます。私は、作者さんが使命感などのザワザワとした気持ちを持った状態でいられることは、私も経験があるので不安です。できればふわっとした気持ちで楽に過ごして欲しいです。 (2月4日 12時) (レス) @page34 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
トッテン - 作者からを読ませていただきました!私も中々手が進まない時よくあって気持ちめっちゃわかります…。この作品大好きなので何年でも待ち続けます!!アニメのマルソーの場面めっちゃ好きでしてこの小説はギルド戦で終わりにするという感じでしょうか🤔 (1月28日 10時) (レス) @page34 id: e12076433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年8月18日 19時