炎柱の心残り【鬼滅の刃】 (ページ8)

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漆ページ8

(ＮＯside)

…しかし、そんな容易なものでは無かった。

猗窩座は強制的に呪いを解き、逃げて行ってしまった。

花波は、呪いを無理に強くした代償、そして煉獄の代わりに腹を貫通させられた事が重なって、

ふらりと体が傾いたが煉獄が花波を受け止めた。

煉獄「花波…ッ…。守れなくて、すまなかった…！！！」

『…煉獄さん、大丈夫ですよ。貴方は、炭治郎を守り切った。
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(花波side)

それは、本能的なものだった。

煉獄さんを、「守ってあげなきゃ」そんな気持ちで体が動いた。

猗窩座が、私の胸に貫通した腕を引き千切って逃げ出した後、

炭治郎が猗窩座に向かって怒鳴っていた。

炭治郎「逃げるな卑怯者！！逃げるなァ！！

何時だって鬼殺隊はお前達が有利な夜の闇の中で戦っているんだ！！

生身の人間がだ！！傷だって簡単には塞がらない！！失った手足が戻る事もない！！

逃げるな馬鹿野郎！！馬鹿野郎！！卑怯者！！

お前なんかより煉獄さんと花波の方がずっと凄いんだ！！強いんだ！！

煉獄さんと花波は負けてない！！誰も死なせなかった！！戦い抜いた！！守り抜いた！！

お前の負けだ！！煉獄さんと花波の勝ちだ！！」

『…炭治郎、もう良いよ。』

炭治郎の気持ちは良くわかったから。

炭治郎「でも……！！」

『もう、十分伝わった。猗窩座には無理かもしれないけど、

煉獄さんと私には、十分伝わったよ。』

炭治郎「まだ、治せるかもしれない！！治療の型とかはないのか！？」

『……あるけど、もう遅いんだ。だってその呼吸、私の体が傷つく事が代償だもの。

この体で型を使っても、傷をえぐるだけで何も変わらないしさ。』

炭治郎「ッ……でも！花波はまだ死んじゃダメだ…！！」

『ありがとう…。でも、運命は変えられないから。』

煉獄「花波、少し二人で話をしよう。」

『…いいですよ。』
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(煉獄side)

『俺は…、君に初めて出会った時、何だか胸が苦しくなったんだ＿＿＿。』

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君に初めて出会ったのは、柱合会議の時。

竈門少年と妹の鬼の少女について裁判を行う際、俺を含む殆どの柱は、鬼の少女に批判的だった。

だが君は、柱が目の前にいるにも関わらず、自分の意見を迷わず言っていた。

そんな誠実な君に、俺は一目惚れしたんだ。

『君と居ると、毎日がとても楽しく感じたんだ。』