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(花波side)
あの後、私は沙良ちゃんに連れられて二人で早退させられ…いや、した。
絶対ダメでしょ。って言おうとしたら圧掛けられた。ここだから良いらしい。
沙良「ねえ、花波ちゃん。家入ってもいい?」
『えっ…まあ、良いよ。』
まあ、そんな汚い訳でもないから良いか。
沙良「おじゃましまーす。」
『あ、いらっしゃい…?』
沙良「なんで疑問形なの?やっぱ花波ちゃんって、何処か抜けてる所あるよね。」
ん?それって褒められてるの?絶対小馬鹿にはしてるよね…。
沙良「ま、それより先に、ご飯食べよう。ここ最近何も食べてないんじゃないの?」
げっ……バレてる…。
沙良「何か作ってあげるよ。…でもいきなりがっつり系の物だと胃もたれしそうだし…。
よし、素饂飩にしよう。」
『お任せしてもいい?』
沙良「そりゃね。ちゃんと休んでなさいよ?」
『うん。』
__20分後_____
沙良「ん、ごめん。時間かかったけど出来たよ。」
『ありがとう。溶き卵も入れてくれたんだ。』
沙良「卵には疲労回復の効果もあるからね。早く食べな。」
そう言って渡された饂飩は、とても美味しかった。
体の芯から温まっていく。
沙良「これで、明日からも出勤は出来そうね。」
『…ありがとう。でも、ごめんね。』
沙良「何でよ。…まさか、迷惑かけたと思ってるんじゃないでしょうね。」
『そうだけど…。』
沙良「迷惑かかってる訳ないでしょ?花波ちゃんは早く煉獄先生と結ばれなさい。」
『なっ…!』
沙良「良いわねー、時代を超えて再び繋がる運命の糸…羨ましいわ。」
『でも、沙良ちゃん可愛いじゃん。運命の相手なんてすぐ出来ちゃうよ。』
沙良ちゃん、学生時代の時もモテてたらしいし。
イケメンの男性なんて、集まってくるでしょ。
沙良「まあ、花波ちゃんも頑張ろう?
あ、そうだ。今度温泉行かない?良い露天風呂がある所を見つけたの。」
『良いね!私、最近お風呂にハマってる所だったんだよね。』
嗚呼、こんな素敵な友達が出来るだなんて思いもしなかった。
人に寄り添って、親切に行動できるから。
私とは……、大違いだな。
沙良「んじゃ、今日はもう帰るね。ちゃんとご飯食べるんだよ?」
『…うん。分かったよ。』
自分とは___、大違い。
人の為に行動も出来ず、自分の妄想でしか生きられない私。
対照的な沙良ちゃん。
私じゃなくて、沙良ちゃんが煉獄さんと結ばれればよかったのに。
そんな考えが、何時まで経っても頭からこびり付いて取れなかった。
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ジルマル(プロフ) - 瑠碧さん» コメントありがとうございます('◇')ゞとても励みになります✨ (1月2日 20時) (レス) id: 01b486c023 (このIDを非表示/違反報告)
瑠碧(プロフ) - 受験頑張って下さい! (12月27日 19時) (レス) @page41 id: 8e4f2df418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジルマル | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/hp/marubonyoro/
作成日時:2023年10月1日 0時