1 ページ1
昨日、悪魔さんと一緒に花火を見た。
きれいな火で幕を閉じた夏祭りは、思い出そうとすればするほどよく思い出せない。
せっかく取った金魚の行方も、全然思い出せない。どこ行っちゃったんだろ、かわいかったのに。
悪魔さんのお姉さんとか、その時テンションで言っちゃったこととか、そういうのばっかり覚えてるから、覚えたかったこと全部忘れちゃったみたいだ。
……うんそう、そうなんだよ。
空気が空気だったからさ、テンションでいろいろ言っちゃったんだよ。
本当、いろいろ、いろいろ……っ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁッ!! もう!!」
引き続き叫びながら、ぐしゃぐしゃぐしゃ！ と髪をかきむしる。
恥ずかしいやらなんやらで、もう思い出すだけで無理！
なんであの時の僕あんなことすらすらと言えたの!? ほんと、なんでっ!?
あぁぁぁぁもう言わなきゃよかったほんと！ 急いでキャラ戻したけど、もしも我に返らなかったらほんとっ！ ほんと死んでたから僕！
「ニンゲンが叫んでるなんて珍しいなーって、どした？」
「うわああああああッ！ 今来ないで!!」
「ひどくね？」
ぼさぼさになった髪と、それを掴んでいる手の間からにらみつける。
あと五十は叫べるであろう僕に、「何が言いたいんだよお前」と冷静に聞く悪魔さん。やめて聞かないで。僕今精神的に死にかけなんだから。
「あー、昨日のことでも思い出してんのか？」
どんぴしゃ。
「やだ待ってほんっと！ 無理!! なんで言うの!? ありえないんだけど!?」
「ぅわ」
ニンゲンが取り乱してる、と悪魔さんがぼそっとつぶやいた。いや、とりみだすって何？ もう少し簡単に喋ってよもぉぉぉ!!
「あぁぁぁぁ……。あの時はだって空気が……、何となくのテンションで……」
「文章成り立ってねぇぞー」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷鴉ロキ．N - �，�ら一気読みしました！やばい。最高。待ってます！ (10月21日 9時) (
レス) @page16 id: 37dd88ffaf (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - くろねこらいふさん» えぇ！ ありがとうございます!! 頑張ります！ (2022年8月12日 20時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこらいふ(プロフ) - �，�ら一気読みしてきました！ 書き方好きです。ストーリーも大好きです。これからも応援しています！ (2022年8月10日 0時) (レス) id: 0083a1a0dd (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - きのかつさん» ありがとうございます！ 44位は本当に自分でもびっくりです笑 みなさんのおかげです！ありがとうございます！ (2022年1月23日 20時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
きのかつ - 過去最高44位とかすごいですね！ すごく面白いです！ これからも頑張ってください！ (2022年1月23日 9時) (レス) @page1 id: 5dc3329add (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れり夢 | 作成日時：2021年10月31日 20時
