１３ ページ13
「ニンゲン？ 大丈夫かおい？」
通路でしゃがみこんでたら歩く人の邪魔になりそうだったから、とりあえず人気のないところに担いでいった。
めちゃくちゃ軽かった。
見た感じ、ニンゲンは十歳より下辺り……まぁ、九か八くらいかと軽く予想していたけれど、その思いを遥かに超えて軽かった。
とりあえず、勝手に測定してみた。簡単な予想だが、そこらへんの知識は姉貴に叩き込まれているから大体あっていると思う。
結果的に、十五キロにも満たしていない。
九歳の平均体重が、確か二十八キロとか二十九キロだったから……。
いや、痩せ過ぎだろ。
ちょ、まじおかしくね。いや、思い返して普通に怖いわ。十五キロもないのかよ。
『捨て子』設定はガチなのか？
その明るい性格からして、流石にないとは思っていたけれど。
あと、捨て子は違うだろうな、と勝手に思っていた理由がもう一つあった。
痣とか腫れとかが目立っているから、てっきり虐待でも受けて逃げてきたのかと思っていたのだ。
それかいじめとか。
捨て子なら普通、生まれた直後に捨てるから、痣ができるはずがない。
捨て子に近づくと呪われるだのと、変な噂を立てているのが人間達だから、ヤバい系の男子高校生とかに絡まれることもないはず。
だから、痣がある時点で捨て子設定は違うと思っていた。
っいや、でも！
まだ捨て子設定が確定しているわけではないし。
体重が軽すぎるのは、やっぱりその逃げてきた説が正しくて何も食べれていなかったからっていうのが一番有効だ。
それだけで捨て子だったと決めるのはおかしい。
「…………」
……何で俺、ニンゲンが捨て子だってことを必死に否定してるんだ……？
何も、都合が悪いことはない。
捨て子だった。そう分かっても、どうせ「はいそうですか。だからなんですか」と言ってサラッと流すくらいの問題だ。
俺がなにか困るわけじゃないのに。
「っはぁー……」
もう、難しい話は置いておこう。
姉貴に叱られる。
「おーい、ニンゲン。大丈夫かー」
とりあえず、目の前の問題だけ見ていればいいんだ、俺は。
「……悪魔さん……」
「意識あんのかよ。大丈夫じゃねぇか」
「大丈夫じゃないよ〜……」
今だって全然立てなくて、とニンゲンのか細い声。
「知らねーよ、いつか立てるようになんだろ」
「わぁ、ひどい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こと(プロフ) - きのかつさん» ありがとうございます！ ２の更新頑張ります……笑 (2021年11月11日 7時) (
レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
きのかつ - 面白いです!(◍•ᴗ•◍) がんばってください!! (2021年11月10日 22時) (レス) @page5 id: 5dc3329add (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - Reigaです！さん» わかりました！！ありがとうございます、頑張ります!!! (2021年4月26日 20時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
Reigaです！ - 一行一行開ければ見やすいかも (2021年4月25日 21時) (レス) id: 86c2fbfb14 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - ありがとうございますーー！！！めちゃくちゃ頑張ります！！！ (2021年4月19日 20時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れり夢 | 作成日時：2021年4月16日 21時
