「それでも、好きです。」2【平野紫耀】

72 - 恋する乙女 ▼ you side ページ22

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そんな話をしていると、





突然、杏ちゃんが何かを思いついたように口を開く。





杏「･･･ねえ、A。」

　「うん？」





落ち着いた声で名前を呼ばれ、視線を杏ちゃんの方に向けると、





杏「デートに誘ってみたら？」

　「ええっ！？？」





信じ難い単語が杏ちゃんの口から出てきて、思わず目が点になる。





　「デ、デート？！･･･平野くんを？」

杏「そう、デート。」

　「む、無理に決まってるじゃん！芸能人だよ？平野くんだよ？写真撮られたりしたら終わりだし、･･･それにわたしなんかと会ってくれるかどうかも分からないし。」

杏「はは！なーに言ってんの！コンサートに誘われたんでしょ？しかも、チケット直接手渡しで。向こうもAに対して、何かしらの気持ちは抱いてると思うよ？そうじゃなかったらわざわざこんなことしないもん。」





前のめりになって言ってくる杏ちゃん。





その自信は一体どこから来るのやら･･･。





スーパーネガティブなわたしとは裏腹に、「絶対に誘ったら来てくれる。」って自信満々に言う杏ちゃんのポジティブさを少し羨ましく思った。





　「でも、会うなんて、無理じゃないかな･･･。」

杏「うーん、そうね。･･･家に呼べば？」

　「へっ！家？！わたしの？」

杏「そう！家だったら、誰の目にも触れないでしょ？」

　「そんなこと出来るわけな･･･。」

杏「A、料理得意なんだから、手料理を振る舞うのはどう？ほら、『胃袋をつかめ』って言うでしょ。」





確かにそう言うかもしれないけど･･･。





わたしの作った手料理なんて食べてくれるのかなって不安になる。





杏「あ、そうだ。ハロウィンパーティーは？」

　「ハロウィンパーティー？」

杏「もうすぐハロウィンだし！ハロウィンパーティーを口実にすれば、誘いやすいんじゃないかな？外で会うわけでもないし！」





アリーナツアーが終わる頃は、ハロウィン間近。





年末年始の平野くんたちは生放送番組に引っ張りだこらしく、オフの日も少ないみたいで、ちょうどツアー終わりに長期休みを貰えると言っていた。





　「･･･平野くんに聞いてみようかな。」

杏「うん！その調子！･･･お家デートかぁ、いいねぇ。」

　「ち、違う！これは、デートじゃなくて！」

杏「･･･やらしいねぇ。」

　「ちょ、ちょっと！杏ちゃん！」





平野くんと一緒にハロウィン過ごせたらいいな･･･。





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