「それでも、好きです。」1【平野紫耀】

40 - それでも、好き ▽ sho side ページ40

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2人の声が反響する。





紫「いや、お前らうるさ。」





幸い、スタジオ裏のスペースで待機してたから、撮影中の岸くんと廉のところまでは声が届いてなかった。





だけど、周りで作業をしていたスタッフが数名、ちらちらとこちらを見てくる。





神「進展しすぎ！」

紫「進展ってわけでもないけど。」

神「進展だろ！お泊まりって、お前･･･。」





じんがお決まりのにやにや顔で聞いてきたから、俺は咄嗟に察して、声を抑えて慌てて否定した。





紫「おい、アホか！変なこと想像すんな。」





俺の " 変なこと " という言葉に海人も察したのか、反応して、「じゃあ、なにがあったの？」って聞いてくる。





そんな2人にあの日の出来事を細かく話した。





神「ふーん、なるほどね。」

海「なんか恋愛ドラマみたい。」

紫「夜遅かったからそんなに話もしてねぇし、朝起きた時にはもうAちゃん帰っちゃってたし。･･･俺、仕事だったから、邪魔しちゃいけないからって。」





うんうん、と静かに頷きながら話を聞くじんと海人。





神「連絡はずっと取ってるんだっけ？」

紫「･･･まぁ。」

神「･･･今、紫耀、断然忙しいじゃん？仕事のスケジュール的にも余裕少ないし、Aちゃんに会える機会作るのも難しいんじゃない？」

紫「じんの言う通りだと思う。」

神「それでもいいの？」





その言葉を聞いて、思わず黙り込む。





神「あ、ごめん、紫耀の好きって気持ち、やめた方がいいんじゃない？とかそういう意味じゃなくて。心の底から応援したいと思ってる。ただ、俺らの立場的に恋愛するのって難しいし、Aちゃんは一般の人だから･･･。これはあくまでも確認としてな。俺は紫耀らしい選択してくれて嬉しいし。」

紫「じんの言いたいことも分かるよ。･･･俺も俺なりにずっと考えてたし。自分のこのもやもやした感情が何なのか、Aちゃんに迷惑掛けたくなくて、敢えて気付かないフリしてきた。けど、もうそんな " フリ " じゃ誤魔化しきれねぇわ。ちゃんと向き合おうって思った。」





真剣な眼差しで、じんと海人がこちらを見つめる。





紫「自分でも抑え切れないくらいAちゃんのことが好きになってた。俺が頑張らなきゃいけないし、好きになればなるほど、その倍、Aちゃんを守らなくちゃいけないのも分かってる。





･･･俺はそれでも、好き。」





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