「それでも、好きです。」1【平野紫耀】

37 - それでも、好き ▽ sho side ページ37

《 sho side 》





＿＿＿＿ ♪ ♪ ♪





夢の中で微かに鳴り響くアラーム。





ぼんやりとした意識の中で、その音はだんだんと大きくなっていく。





紫「ん･･･。」





いつものように、ベッドサイドのテーブルに置かれたスマホを取ろうと手を伸ばすけど、その先にはスマホもテーブルもなくて、昨晩ソファで寝たことをうっすらと思い出す。





上半身を起こし、眠たい目を擦りながら、鳴り続けるスマホのアラームを止めると、まだはっきりしない思考回路の中で記憶を辿る。





･･･確か、





紫「･･･Aちゃん。」





･･･Aちゃんが泊まったんだ。





まるで夢のようなその事実は、夢じゃなくて。





そっと洗面所へ向かおうとすると、ダイニングテーブルの上にメモが置かれているのを見つけた。





平野くんへ
┈┈┈┈┈

おはよう。
ソファで寝かせちゃってごめんね。
ちゃんと眠れたかな？
今日も13時から収録って言ってたから、
邪魔しないように一足先に家に帰ります。
お泊まりさせてくれてありがとう。
またあとでラインするね。

Aより
┈┈┈┈┈





Aちゃんからだった。





綺麗な字で書かれたそのメモを見るやいなや、リビングへ引き返し、ソファの上に置きっぱなしにしていたスマホを手に取る。





『またあとでラインするね』と書かれていたけど、急いでラインを開いてAちゃんにメッセージを送る。





･･･ちゃんと帰れたんかな。





今日はお休みだと言っていたAちゃん。





休みなのに早起きさせてしまったことに申し訳なさを感じた。





俺がもう少し早く起きれば、Aちゃんのことを車で家まで送れたのに。





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