32 - ふたりきり ▽ sho side ページ32
《 sho side 》
じんとのドライブが久々すぎて、遠くまで車を走らせたのはいいものの、帰りも遅くなって、家に着いたのは日付を越えた深夜。
じんに車でマンションの前まで送ってもらい、エントランスに入ると、なぜかそこにAちゃんがいた。
今朝、ラインのメッセージで交わした " おはよう " の挨拶以来、今日一日中連絡が途絶えていて、「忙しいのかな」とか「なにかあったのかな」ってあれこれ考えていた時、急に目の前にAちゃんが現れて、目を疑ってしまった。
と同時に、
嬉しさと緊張が込み上げる。
だけど、こんな時間に一人でタクシーで帰ると言ったAちゃんがとてつもなく心配で、不安で。
気付いた時には、追いかけて引き留めている自分がいた。
.
リビングのソファの端にちょこんと座るAちゃんを見て、今更になって動揺し始める俺。
Aちゃんがいる。
・・・やば。
あまりにも急な展開に心臓がバクバク鳴って止まらないし、思考回路も追いつかない。
ただただAちゃんのことが心配で、後先考えずに「泊まっていって欲しい。」なんて咄嗟に言った自分がアホすぎる。
・・・俺ってほんとバカだな。
自分の行動のせいで、Aちゃんにどれだけの迷惑を掛けてしまうことか。
紫「・・・。」
「・・・。」
お互いの間に流れる沈黙。
気まずそうに座るAちゃんと目が合う。
「何か言わなきゃ」と一生懸命言葉を考えるけど、緊張と二人きりという空気に掻き乱される。
「あの・・・。」
重たい沈黙を先に破ったのは、Aちゃんだった。
「実はさっき、平野くんにちょうどライン返そうと思ってたの。・・・でも、時間が時間だったから、結局返事送るのやめちゃって。」
紫「そうなの?」
「・・・寝てたら、迷惑かなって。」
紫「今日、全然返事なかったから忙しいのかなって思ってた。」
「お昼頃から出掛けてて、そのまま飲み会だったからバタバタしちゃって。」
紫「飲み会、楽しかった?」
「楽しかったよ。久しぶりに高校の同級生に会えたの。平野くんはドライブ楽しかった?」
他愛のない会話が続いて、会話の合間にAちゃんと俺の笑い声が部屋に響く。
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mugi(プロフ) - 友梨さん» 友梨さん〜〜!お久しぶりです\(^ω^)/ 1作ではストーリーが収まりきらず、シーズン2に突入となってしまいました!(笑)今度、番外編だったりも同時進行で書き進められたらなって思ってます!いつも友梨さんのコメントに励まされてます♪☺︎ (2021年11月18日 9時) (レス) id: 3ab6681bec (このIDを非表示/違反報告)
友梨(プロフ) - mugiさん、こんにちは!シーズン1、作成お疲れ様です!いつも更新を楽しみに読ませていただいています。いつもキュンキュンさせてもらってます(^^)シーズン2も、陰ながら応援しています!頑張ってください!! (2021年11月16日 7時) (レス) @page50 id: 88efaf7a8d (このIDを非表示/違反報告)
mugi(プロフ) - つかささん» つかささん、はじめまして!コメントありがとうございます!お互い不器用でなかなか発展しない2人の関係に、作者も「頑張れ!平野!」とつい応援してしまっています(´-ω-`)(笑)末長くお付き合いくださると嬉しいです!☺︎ (2021年11月11日 15時) (レス) id: 3ab6681bec (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - リアル設定に、読み初めからワクワクさせてもらってます!しかしなかなかストーリーが展開しなくてこれはロングストーリーになりそうな予感??!楽しみにしています! (2021年11月11日 15時) (レス) id: 2661138e77 (このIDを非表示/違反報告)
mugi(プロフ) - mさん» mさん、更新遅くてすみません( ; ; )やっとメンバーとの初対面ですね〜!平野くんもやっと好きって気付いたみたいで、作者はひと安心です(´-ω-`)(笑)もうすぐシリーズ2となり、ドキドキ展開もいっぱい出てくると思うので楽しみにしててください! (2021年11月10日 0時) (レス) @page46 id: 3ab6681bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mugi | 作成日時:2021年9月28日 15時