「それでも、好きです。」1【平野紫耀】

26 - 感情の渦 ▼ you side ページ26

《 you side 》





『久しぶりに集まって飲もうよ』というグループラインでの呼び掛けをきっかけに、集まることとなった高校時代のクラスメイト。





意外にも15人も集まり、飲み会という名の " プチ同窓会 " が、居酒屋で開かれていた。





杏「ちょ、A、ぜんっぜん飲んでないじゃん！」

友「ね、ほら早く、何飲む？ハイボール？」

　「や、もう結構飲んでるから、大丈夫！」





あまり気が進まなかったけど、杏ちゃんが行くというから、参加することにした。





高校を卒業して以来、クラスで集まるのは2度目になる。





懐かしい話だったり、近状を報告し合っているとついつい盛り上がってしまって、お酒も進む。





飲むのは好きだけど、もともとお酒が強いわたしは、シラフ同然。それに比べて、杏ちゃんはもうべろんべろんに酔っ払っている。





友「おい、A、杏！ロック頼むけど、飲む？」

杏「飲む〜〜、わたしが2杯飲む！」





高校時代から、可愛かった杏ちゃん。





当時は、クラスの男子に先輩に後輩に、とにかく本当にモテていた。





あれから、ますます美人になった杏ちゃんを元クラスメイトの男の子たちが放っておくわけがなく、「何飲む？」を口実にお酒を勧めてくる。





　「ちょっと、杏ちゃん！飲み過ぎ！」

杏「Aの代わりに飲んでるの！あんた、可愛いんだから、いくら元クラスメイトだからって、変な男が寄ったら心配よ。Aは無理に飲んじゃだめ。分かった？」





それはわたしの台詞なんだけど･･･。





注意すると、耳元で杏ちゃんがそう呟く。





確実に杏ちゃんよりも、わたしの方がお酒が強いのに、昔からそう言って優しくしてくれる杏ちゃん。





「「「かんぱーい！」」」





時刻はもう23時過ぎ。





このまま、2次会に突入するんじゃないかと思うハイペースさで、お酒を飲むみんなの姿をぼーっと見ていた。





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